アトリエの101人

こちらは先日ブログに書いた南川三治郎「アトリエの巨匠・100人」と同じ類の写真集で、田沼武能氏が撮影した日本人芸術家101人のアトリエ集です。全員が日本人なので馴染みがあって、より親近感を持って見ることができます。海外の作家にないのは、畳に座って描く日本画家の姿です。ここでも「アトリエの巨匠・100人」同様、ずっと昔教科書で見た芸術家の肖像が、あたかも近所のおじさんやおばさんのように撮影されていて、それを垣間見るだけでも楽しくなります。最後にとても丁寧な撮影ノートが記されていて、その芸術家の周囲、環境を知ることができます。こうした写真集は出版当時どのくらい売れたのか定かではありませんが、自分にとっては宝物のような一冊です。

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