「椿姫」の豪華な宴

散りばめられた有名な旋律、華麗な舞台、男女の葛藤、どれをとっても楽しめるオペラと言えます。パリの社交界で繰り広げられる豪華な宴は、女性の衣裳を見ているだけで、その雰囲気は容易に想像がつきます。ウィーン国立歌劇場で観た「椿姫」は思わず口ずさみたくなるメロデイーと、花のような衣裳に身を包んだ社交界の人々の踊りで、まさにヨーロッパ文化の坩堝の中にどんどん引き込まれてしまいました。オペラ鑑賞の第一歩はこの「椿姫」がお勧めです。歌あり、踊りあり、ドラマあり、悲劇ありの全てが揃ったオペラで、たとえイタリア語であっても物語の大筋は理解できます。オペラは耳に心地よいものという印象を最初に持った方がいいと思います。私はR・シュトラウスを最初に聴いて、それからしばらくオペラから遠ざかってしまった経験があります。

関連する投稿

  • 横浜山下町の「灯りの魔法」展 横浜山下町にある人形の家で「灯りの魔法 […]
  • ドイツ在住の旧友来たる 自分は20代の頃、オーストリアの首都ウィーンに住んでいました。同地の国立美術アカデミーに通って、最初は版画科に、次に塑造科に移ってレリーフを学んでいました。今思えば素晴らしい環境に身を置いていたこと […]
  • 「心の旅人ケルト」について 「呪術としてのデザインー芸術民俗学の旅」(中嶋斉著 […]
  • 自分の中の音楽環境 過去のブログを読むと、音楽について書いている時期があります。自分の生育歴は音楽環境に乏しく、それでも両親は私と妹をピアノ教室に通わせていました。私は忽ち頓挫してしまい、それきり楽器演奏をやる機会を失 […]
  • クラシック音楽を聴く機会 20代の頃にオーストリアの首都ウィーンに住んで、リング(環状道路)沿いにある国立歌劇場に毎晩通っていました…と、書くと自分はいかにも文化意識が高く、経済的にも恵まれた、どちらかと言えば鼻持ちならない […]

Comments are closed.