週末 梱包作業に追われる①

週末になりました。朝から工房に篭って梱包用の木箱作りに精を出しました。昨年から木割を補強材として取り入れた木箱作りをやっていて、昨年の作り方を思い出しながら数点の木箱を作りました。工房の床に置いてある陶彫部品の数をざっと見積もると、20箱くらいは必要かなぁと思いました。ベニヤ板も木割も足りないことが分かって、今日は建材店に行ってそれらを補充してこなければなりませんでした。梱包用の木箱作りは創作活動ではありませんが、自分にとって退屈な仕事ではありません。祖父が大工、その先代も大工をやっていたおかげなのか、私はこうした仕事が苦にならず、寧ろ楽しんで出来ることを幸いに感じています。梅雨の鬱陶しい季節ですが、工房にいる間中、梱包作業に追われていました。今日は工房に若いスタッフが顔を出していました。毎週来ている美大を受験する高校生ではなく、同じ高校生でも文学をやっていきたいと考えている子で、彼女は詩や随想を書き溜めています。高校時代は私も詩人に憧れていた時期がありました。私の実家には文学的な環境が整っていなかったために、文学全集などは一冊もなく、詩に触れたのは高校の教科書を通してでしたが、授業の中で扱った詩の世界に惹かれてしまったのでした。私はコトバを操ることを途中で諦めて、美術の専門家になるべく人生の舵を切ったのでしたが、彫刻家になっても詩的な世界観がなければ創作活動は出来ないと今でも思っています。一緒に昼食をした時に、彼女のノートを見せてもらって、その初々しい感性に溢れたコトバに接しました。現在はネット社会であり、疑似体験が容易に出来ることが利点でもあり、また難しい点でもあることが分かりましたが、いずれにしても自分が感じたことを、コトバを通して表出できることは素晴らしいと思いました。この世界を継続して欲しいと願ってやみません。夕方、彼女を車で送りながら建材店に材料の買出しに行ってきました。ベニヤ板材の切断数が多いことと店が閉まる間近だったことで、ベニア板材の引き取りは明日になってしまいましたが、梱包作業は明日も継続する予定です。

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