週末 小品「陶紋」に取り掛かる

毎年、夏の個展には大作の他に小品を作って展示しています。数年前から「陶紋」と名づけていて、カタチはいろいろパターンがありますが、シリーズとして通し番号をつけています。全て陶彫作品なので、図録用撮影日から逆算すると、そろそろ「陶紋」を作っていかなければ、陶彫には乾燥期間があるので、間に合わなくなる可能性があるのです。今日は木彫の作業を休んで、小品「陶紋」に取り掛かることにしました。今回の「陶紋」の基本形は直方体で、新作として現在作っている陶彫作品に繋がるものです。全部で4点用意できるかなぁと思っています。前述の通り乾燥期間を考えて、今日から作ることにしたのですが、今日は毎週来ている美大受験生の他に、美大でグラフィックデザインを専攻している学生も来ていて、騒音を発する木彫は一旦休むことにしたのでした。何しろ木彫はチェンソーで木屑が埃のように舞い上がるし、丸鑿で木っ端が飛んでいくので、騒音以外にも迷惑な行為が多いため、他者がいない時間にたった一人で作業することに決めました。若い子たちがいる時は、静かに作業できる陶彫を選びました。今日来ていた教え子たちが図録撮影や個展の搬入搬出も手伝ってくれるスタッフなので、私にとっては大切な仲間です。工房でそれぞれが気持ち良く制作できるように配慮したわけです。私は久しぶりに陶彫に向かい合いました。陶土は慣れているため、すぐに手に馴染みました。単純で簡潔な形態に、いかに彫り込み加飾を施すべきか、悩みながら陶土を削っていきました。これは立体の仕事というより平面的な細工です。ただし、表面に微妙な凹凸を加えることで、陰影が現れてきて「陶紋」の存在感が出てきます。これも面白い世界だなぁと改めて感じました。サイズが小さいからと言っても、手間がかかることは大きな作品と大差はないというのが実感です。しかも今日は既に乾燥した陶彫部品に仕上げや化粧掛けを施して窯に入れました。夕方になって彼女たちを車で送る時に、窯のスイッチを入れて焼成を開始しました。明日は工房の照明は使えず、別の作業を考えようと思います。

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