「モディリアーニ」を読み始める

「モディリアーニ 夢を守りつづけたボヘミアン」(ジューン・ローズ著 宮下規久朗・橋本啓子訳 西村書店)を読み始めています。ユダヤ系イタリア人の画家アメデオ・モディリアーニは、首が極端に長く、目には瞳を描いていない独特な女性像をテーマに、象徴的な絵画を描いてきた画家で、20世紀初頭のパリで興ったエコール・ド・パリの代表的な人物です。多量に飲酒し、薬物への依存、不摂生で荒廃した生活を続け、享年35歳でパリに散ったことでも有名です。没後、日本でも展覧会が開催され、数多くの絵画が日本の美術館に収納されています。私も幾度となくモディリアーニの絵画を見てきました。最初は彫刻家志望だったモディリアーニは元々病弱で、力仕事や粉塵に耐えられず、彫刻家は諦めたようですが、画家としては夭折したにも関わらず、現在は近代美術史に名を連ねる人物になっています。ただし、私はモディリアーニ本人の成育歴や画歴を知らず、エコール・ド・パリというグループの活躍でしか認識がありません。前にキスリングの展覧会を見に行った折、モディリアーニについても調べてみたくなったのでした。以前どこかの企画展で、私はモディリアーニの彫刻を見ています。その時は単純化された頭部が美しいと感じました。彫刻家ブランクーシとも交流があったようで、抽象化したカーヴィングにはアフリカ民族美術に見られるような生命感溢れるプリミティヴな魅力がありました。この時代の簡潔化した彫刻は、今でも私に刺激を与えてくれています。モディリアーニの絵画は、この時作っていた彫刻より発想した形態にあるのではないかと思っています。ピカソもモディリアーニも愛したアフリカの民族美術。実は私も大好きで、アフリカの木彫の仮面を集めています。そんなモディリアーニの画歴も知りたくなって、本書を読むことにしました。通勤の友には格好の書籍です。楽しみながらモディリアーニの破天荒な生涯を紐解いていきたいと思います。

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