振替を利用して案内状持参

先日の関西出張の折に超過勤務時間が発生し、その振替を今日の午後に取ることにしました。昨日、工房に案内状が1500枚届いたので、早速今日の午後の時間を使って、東京銀座のギャラリーせいほうに案内状1000枚を届けました。改めてウィークディの昼間に銀座に出かけていくと、職場がある横浜の校外と、東京の一大商業地である銀座のもつ環境の違いが浮き彫りにされて、不思議な心境になりました。公務員と彫刻家という二足の草鞋生活は、こんなところにも心理的な影響を齎せているんだなぁと思います。華々しい都会の装い、そこで働く多くの人たち、観光客も含めて往来する人々を見ていると、また夏の個展がやってくるんだと実感しました。ギャラリーせいほうの田中さんが笑顔で迎えてくれました。「もう14回目なんだね。あっという間だった。」と仰っていました。私はせっかく振替を使って東京に出てきたのだから、どこかの美術館に立ち寄っていこうと思い、月曜日でも開館している美術館を探しました。パナソニック汐留ミュージアムでやっていた「ギュスターヴ・モロー展」は昨日で終了していて残念な思いに駆られました。象徴主義の画家モローは大好きな画家の一人でした。それならば東京都庭園美術館の「キスリング展」はどうだろうとネットを検索すると、開催中であることが判明し、目黒に向かいました。エコール・ド・パリの画家キスリングも好きな画家で、ユダヤ系ポーランド人だったキスリングは独特な哀愁を帯びた肖像画で、一躍エコール・ド・パリを代表する画家になったのでした。エコール・ド・パリとは、1920年代にフランスのパリに集った外国人芸術家たちの集団を指しています。NOTE(ブログ)に幾度となく取上げた藤田嗣治もそこに所属していました。改めてキスリングの油彩画を見て、古典的な雰囲気の中に、滑らかな画肌と単純化したフォルム、時折虚無感が漂う世界に忽ち私は魅了されてしまいました。キスリングがとりわけ親しかったのはイタリア出身の画家モディリアーニだったようで、描かれた人物の輪郭を見ると、2人の画家が影響しあって形態の単純化を求めていた姿勢が垣間見れて、私は楽しさとともに彫刻的な捉えをそこに感じていました。「キスリング展」の詳しい感想は後日に改めます。今日は久しぶりにギャラリーせいほうに行って田中さんに会ったり、東京都庭園美術館に行って「キスリング展」を見てきたので充実した時間を過ごすことが出来ました。

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