「スーラとシェレ」読み始める

自宅の書棚に眠っていた書籍を取り出して、何を読もうか思案しました。「奇想の系譜」(辻 惟雄著 筑摩書房)は今も継続して読んでいますが、何か西欧の芸術に纏わるものが読みたくて、書棚を見たところ2冊の書籍に目が留まりました。「スーラとシェレ」(セゴレーヌ・ルメン著 吉田紀子訳 三元社)と「マルセル・デュシャン全著作」(ミシェル・サヌイエ編 北山研二訳 未知谷)です。書籍の薄さから言えば「スーラとシェレ」を鞄に携帯するのがよいと思って、まず「スーラとシェレ」を読み始めました。「マルセル・デュシャン全著作」も今日職場に持参してきて、休憩時間にでも折に触れて読んでいこうと思っています。因みに「マルセル・デュシャン全著作」はデュシャンの創作に関するメモや散文があって、目で活字を追うだけで難航しそうな気配ですが、「スーラとシェレ」は19世紀のフランスを席巻した多色刷りポスターや広告文化を、画家スーラとデザイナーであったシュレを中心に論じたもので、テーマになったサーカスや大道芸の特異な世界に視点を据えています。内容の理解では「スーラとシェレ」の方が通勤に向くのではないかと推察しました。最近は西洋と日本の二つの論評を交互に読んでいくのが、私の癖になっていて一冊集中主義ではなくなりました。この傾向はどれも中途半端になって、過去の学生時代の乱読癖に先祖返りしてしまうのを私は怖れています。ともかく「スーラとシェレ」を読んでいきます。19世紀印象派が登場したフランス気分に浸りながら…。

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