テーブル彫刻について
2016年 9月 2日 金曜日
テーブル彫刻とは何か、テーブルの構造を彫刻に応用するもので、かつて「発掘~円墳~」と「発掘~地下遺構~」を作った際に、私はテーブル彫刻というコトバを使いました。その時はテーブルの上面とテーブルの下面を、地上と地下の世界として捉え、発掘されつつある遺構を表現しました。とりわけ自分が悦に入ったのはテーブルの下面で、そこには迷宮のような都市が隠されていて、生命体のような構造をもつイメージを表現した時でした。上記2作品は、上面と下面の繋がりが弱く、全体的な一体感に乏しい嫌いがあって、展示途中から形態の取捨選択をしたくなりました。作品に絵画性や部分的巧緻性を感じてもらえた人からは好評でしたが、構造としての脆弱性は否めませんでした。そこで、今回取り組んでいる新作では、旧作の反省を踏まえつつ、脆弱な箇所を克服しようとしています。2種類の異なる作品のうち、背の高いテーブル彫刻を2点、背の低いテーブル彫刻を1点を作ろうとしています。背の高いテーブル彫刻は上面に陶彫部品はありません。見上げるような高さで、下面だけを造形する予定です。下面に広がる地下世界は地下茎になって床に広がっていきます。逆に背の低いテーブル彫刻は上面しか造形がありません。テーブルの上だけに現れた世界で、下面は敢えて隠しています。ひとつの作品で上下の一体化を図ることは止めました。一体化より上面・下面といった別々の世界を、別々の作品で表現する方法を選びました。今回の作品はどうなるのか、試してみる価値は充分あると判断しているところです。
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Tags: イメージ, 作品, 彫刻, 陶彫
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