ETV特集「ガタロさんが描く町」
2013年 9月 13日 金曜日
先日、NHKのテレビ番組で異色の画家を取り上げた特集を組んでいました。先月深夜に放映されて家内がたまたまその番組を見ていたのでした。それは団地の清掃員をやっている60代男性の生きざまを取材したもので、清掃用具庫の一角にアトリエを構えていて、その描いている絵の迫力が凄いと家内は言っていました。先週の土曜夜11時にETV特集選として再放映されるのを新聞で知って、私も見てみることにしました。ガタロさんは広島の団地内にある商店街の清掃員で、トイレの便器をひとつずつ丹念に掃除する映像が流れていました。番組の前半は雑巾やモップで懸命に掃除する姿が、社会の底辺を這うようにして描かれていますが、後半になると奥さんとの家庭生活や表現手段としての絵画制作があって映像に若干変化が出てきます。汚物を処理するモップ等清掃用具に愛着を感じ、拾ってきた描画用具で、清掃用具をモチーフにして素描しているガタロさんの姿が印象的でした。数百点の原爆ドームを描いた絵や、ホームレスの男性を描いた絵も迫力に満ちて作者の発言より雄弁です。絵にしたい動機、迸る筆致、身近な道具を愛おしむ感情が剝き出しになって表れていて、久しぶりに秀逸な作品を見た気がしました。
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Tags: 制作, 日常生活, 画家
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