ルーマニア・クリスマス体験
2006年 12月 25日 月曜日
ヨーロッパに住むとキリスト教の存在に圧倒されます。クリスマスの礼拝もそのひとつですが、ヨーロッパの宗教世界の原形が残っているかのような素朴な精神性をもっていたのがルーマニアで迎えたクリスマスでした。まだ共産圏だった頃のことで、現ウクライナ国境近くの村で体験したクリスマスは忘れることができません。夕方、村の子供たちが家々を練り歩き、門前で合唱をして家人からお菓子をもらう行為(コリンダと言っていました)に温かさを感じました。また木造りの教会で民族衣装を纏った村人たちが厳粛に祈る姿は、生まれた土地を愛し、人を愛する心を神へ感謝する姿と感じ取ることができ、宗教の違いを超えた感動をいただきました。あれから20数年経ち、今はどうなっているのでしょうか。彼の地を取材していた紀行作家みやこうせいさんにお会いする度にルーマニアの村での印象が甦ってきます。日本の社会に馴染んでしまっている今の自分には遠い世界になってしまいました。
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Tags: ルーマニア, 留学
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