夭折の天才ラファエロ
2013年 3月 28日 木曜日
ルネサンスの三大巨匠と言えば、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロです。3人3様の名作を残していますが、ダ・ヴィンチが67歳で没し、ミケランジェロが88歳で没しています。それを考えるとラファエロが37歳没という年齢で残した名作を挙げてみても、奇跡としか言いようのない事実が浮かび上がってきます。3人とも天才の名声を欲しい儘にしていますが、とりわけ夭折したラファエロは天才の中の天才と言えそうです。先日、東京上野の国立西洋美術館で開催されている「ラファエロ展」に行って、その至高の名作に触れてきました。そこで目に留まった名作の一つは「聖家族と仔羊」という小品です。年老いた父ヨセフと聖母マリア、そして仔羊に跨った幼児キリストが安定した構図で綿密に描かれていて、その情景から無意識に物語を紡いでいる自分に気づきました。というのも人物一人ひとりのキャラクターが浮かんでくるほど、自分はその表現の魔力に憑かれてしまいました。暫し立ち止まった後、当時ラファエロに影響を与えていたダ・ヴィンチにも考えが及びました。若いラファエロはダ・ヴィンチについて相当研究していると思われるところが随所に見られたからです。イタリア・ルネサンスはどんな時代だったのでしょうか。歴史に疎い自分には時代のイメージが掴めません。眼前の壁に掛けられたラファエロの絵画を見て、自分は浅薄な知識を総動員してルネサンス絵画に迫る試みをしながら会場を巡っていました。
関連する投稿
- 牟礼の地に思いを馳せて… 東京都美術館で開催されている「イサム・ノグチ […]
- 東京木場の「ライゾマティクス_マルティプレックス」展 先日、東京都現代美術館で開催中の「ライゾマティクス_マルティプレックス」展に行ってきました。ライゾマティクスという異能集団には、アーティストやエンジニア、建築家や研究者もいて、それぞれが専門分野で分 […]
- 再開した展覧会を巡り歩いた一日 コロナ渦の中、東京都で緊急事態宣言が出され、先月までは多くの美術館が休館をしておりました。緊急事態宣言は6月も延長されていますが、美術館が漸く再開し、見たかった展覧会をチェックすることが出来ました。 […]
- 桃山茶陶の開花について 東京国立博物館平成館で開催中の「桃山ー天下人の100年」展は、絵画に限らず、私にとって興味が尽きないものばかりが並び、日本の伝統文化の重厚感に圧倒されてしまう展示内容でした。安土桃山時代は日本陶磁史 […]
- 週末 土台作り&美術館散策 週末になりました。新型コロナウイルス感染症で緊急事態宣言が出ているにも関わらず、気持ちのモチベーションを保ちたくて、今日は地元にある横浜美術館へ出かけてしまいました。早朝は工房に行き、新作の土台作り […]
Tags: 展覧会, 芸術家
The entry '夭折の天才ラファエロ' was posted
on 3月 28th, 2013
and last modified on 4月 1st, 2013 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.