週末 土台作り&美術館散策

週末になりました。新型コロナウイルス感染症で緊急事態宣言が出ているにも関わらず、気持ちのモチベーションを保ちたくて、今日は地元にある横浜美術館へ出かけてしまいました。早朝は工房に行き、新作の土台作りをやっていました。どこかへ出かける用事がある日も、少しの時間でも創作活動を入れると心の安定が得られます。冬は寒くてウィークディの夜に工房へ出かけることが出来ないのが残念ですが、週末には必ず工房に行っています。陶彫制作はまとまった時間がないと難しいところがあるので、早朝制作は厚板材を使った土台作りを行うことにしました。朝7時から9時までの2時間は工房にいました。制作工程の進み方は僅かですが、それでも制作に携わっている実感があるのが良いのです。工房の作業を引き上げて自宅で朝食を済ませてから、桜木町にある横浜美術館に向かいました。現在は「トライアローグ」展が開催されていて、私は事前に予約を入れていました。トライアローグとは三者会談の意味で、横浜美術館、愛知県美術館、富山県美術館の3館の20世紀西洋コレクションを一堂に会して展示する企画展のことです。これは3館の学芸員による好企画と言えるもので、それぞれの美術館が所蔵する一流品を集めれば、インパクトのある展覧会が開催できてしまう素敵な実例だろうと思いました。20世紀美術を牽引した画家や彫刻家による作品を見ていると、海外に行かずとも西洋美術を俯瞰できる喜びがありました。私個人としてはルイーズ・ニーヴェルソンの珍しい彫刻作品と対面できたことが良かったと思いました。ニーヴェルソンの作品は千葉県のDIC川村記念美術館にしかないと思っていました。「トライアローグ」展の詳しい感想は後日改めます。その後、最近新しく出来た横浜市庁舎に行きました。ここの1階アトリウムの大スクリーンで「アニメーション・フェスティバル」が行なわれていたので、鑑賞に行ったのでした。制作者はいずれも中学生で、若い才能が芽生えている様子が分かりました。アニメーションは日本が世界に誇る表現媒体で、現在も多くの作品が作られています。10代前半の若い世代が、楽しみながらアニメーションを作り始めている状況を見て、こうした動きがますます広がっていければいいのになぁと思いました。

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