週末 色彩への憧れ

今日は朝から夕方まで工房で制作三昧でした。昨日、「構築~楼閣~」全体の骨子ができたところで、少し時間をおいて眺めることにしました。これから窯入れする陶彫部品の数々を念頭に入れながら、完成に向けてじっくり見ていきたいと思います。これから先の補充する陶彫部品には神経を使います。そこで今日は陶彫のことはさておいて、RECORDで取り組んでいる色彩について考えてみます。画家は色彩のもつ発色について独自な研究や試みを行い、画面上の色彩の取り合わせを見極めることによって、ゆたかな世界を創出させています。あえて純色を羅列する場合であっても、また色味を抑えた低い明度で統一された画面であっても、色彩がそのイメージを雄弁に語り、鑑賞者の印象に強く訴えてきます。形態と色彩は近代絵画以降、分離した関係が認められつつ主従関係ではなく、そのどちらであっても表現が成り立つものと考えます。自分を振り返ると、色彩に対する怖れは学生時代に遡りますが、といって形態でも突出した個性があったわけではありません。ただ、とりわけ色彩の配色に独自性をもつことにずっと憧れ続けてきました。今日も工房で陶彫制作を休んで、RECORDの彩色をあれこれやって、色彩が放つ魔力をコントロールしたいと願っていました。

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