週末 積み重ねる作業の合間で…
2020年 9月 12日 土曜日
週末になりました。今日は雨模様で気温も上がらず、凌ぎ易い一日になりました。朝8時に工房に出かけ、明日の成形のためにタタラを用意したり、前の陶彫成形でまだやり残している彫り込み加飾を行ないました。週末になると工房で黙々と作業をやっています。今日は午前8時から午後3時までの7時間を工房にいました。作業は単調ながら、次はこの部分を作ろうと思っていて、新作に向けた意欲は充分にありました。私の作品は一気呵成に出来るものではなく、コツコツとした積み重ねで全体のカタチが現れてきます。まだ全体構成の10分の1というところでしょうか。それでも最初の陶彫制作は新作の方向性を決めていくので、量的にまだ少なくても制作工程から見れば、重要な導入部分になります。私は小さなところで生きがいを感じることが出来る性格なので、新作に対する不安や彫刻そのものに対する意義などを問いながら、そこに孤独や虚無は感じずにいます。寧ろ自己表現が定まらなかった若い頃の方が、彫刻に対し複雑な感情を持っていたような気がしています。私が生涯を賭けて何かやったところで徒労に終わるのではないかと、その頃は感じていました。創作活動とは何か、何十年も常に私の頭を過ぎっていますが、私は先を見ず、目の前のことだけを考えて一歩ずつ進むことを選びました。私はすぐ達成出来る小さな目標を持つことにしたのです。今日はここまでやったら今日の目標達成と考えて日々過ごしています。足元だけ見て作業を積み重ねているうちに作品は出来上がってきます。それは登山に似ているように思います。私の彫刻作品は労働の蓄積です。不器用で寡黙ながら只管作る、焦らず休まず作ることが私の信条です。作品は自分自身を表していて、格好つけて洒落て作れば、それなりの作品になり、なり振り構わず追求すれば、それに応える作品になると考えます。小手先で終わらないために、今日やっている作業には意味があると言い聞かせて、地道な作業をやっていました。積み重ねる作業の合間で、自分自身の方向性を確認し、明日に繋げていきたいと思いました。夕方は修理に出した家内の邦楽器を車で引き取ってきました。ちょっとした息抜きになりました。