西暦2020年について思うこと

職場の広報誌に文章を依頼されました。毎月寄稿をさせていただいているもので、新しい年の初めに西暦2020年について思うことを気儘に書かせていただきました。西暦は文字通り、西洋の暦を基盤にしているもので、イエス・キリスト生誕の翌年を元年として算出しています。それを決めたのは暦がカタチを成した時代であり、当然元年というのはその時代から遡って定めたものなので、西暦が定着するまでに微妙な食い違いもあったようです。6世紀のローマの神学者ディオニュシウスによって西暦が算出されたことはネットにありましたが、それまではローマ皇帝即位を紀元にしていたため、キリスト生誕とは無関係に暦が動いていたことになります。後に西暦525年にあたる年にこれを定めたので、元年から524年までの暦は概念上の存在だったわけです。そのため人々には西暦は長らく受け入れられず、15世紀になって漸く普及したようです。聖書によるとイエスは紀元4年頃に生まれているのではないかという説もあり、またキリスト正教圏とも食い違いがあって、ここに私はちょっとした興味を覚えました。日本へは16世紀頃に宣教師によって西暦は齎されましたが、実際には明治時代に入ってから使われ出し、日常生活に普及したのは第二次世界大戦後で、日本にとっては案外新しいものなんだなぁと思いました。日本が西欧をきちんと認めたのは確かに戦後だったので、現在あたりまえのように使われている西暦も元号に比べれば国際化と共にやってきたと言っても過言ではありません。2020年はオリンピック・パラリンピックが日本で開催される記念すべき年になります。日本で初めて開催された1964年、私はまだ小学校2年生でしたが、テレビが普及したおかげで私もテレビ観戦をして大いに盛り上がったことを記憶しています。あれから56年かぁと思いつつ、また日本でオリンピック・パラリンピックが見られるとは、当時は誰が想像していたでしょうか。2020(にーまる・にーまる)という響きはなかなか素敵で、オリンピック・パラリンピックのキャッチフレーズとしては成功していると思っています。

関連する投稿

  • 週末 梅雨前線の活発化 週末になりました。昨晩から関東地方は豪雨に見舞われていて、夜中に警戒警報が鳴りました。土砂災害に纏わる避難勧告が出されていましたが、私が住んでいる地域は周囲に河川が少ないため、大きな被害にはならなか […]
  • 厚板下書き&バラ園散策 中規模の新作は今日から作り始めました。過去幾度となく私が作ってきたテーブル彫刻になりますが、今回の新作では陶彫部品を接合せず、木材のみで作ります。厚板を4本の柱で支える構造ですが、厚板には文様化した […]
  • 東京の自衛隊大規模接種センターへ… 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まり、私は65歳になっていたので、既に接種券や予診票が横浜市から送られてきていました。すぐに地元の横浜市のワクチン接種に関するネットにアクセスして、何度か予 […]
  • 体力維持のために… 私は自宅の近くにスポーツ施設があるため、そこで水泳をしていました。20年以上も前は仕事帰りに夜間コースに通い、そこで知り合った仲間たちとマスターズ登録をして、年齢別の競技大会にも出ていました。その頃 […]
  • 一日のルーティンを考える 学校を退職し、私は日々の出勤がなくなりました。一日中自由に過ごせる日常は、退屈と隣り合わせになるかなぁと考えていましたが、1週間以上が過ぎた今は校長職にあった時と変わらない時間の使い方をしています。 […]

Comments are closed.