週末 19’RECORD撮影日

懇意にしているカメラマンが私の作品を撮影する機会は、年間で3回あります。1回目は個展図録用の撮影日で、ここで7月の個展に向けて新作の陶彫作品全てを撮影していきます。日頃から付き合いのある複数のスタッフに工房に来てもらい、この日初めて陶彫部品を組み立てます。陶彫作品全体が見渡せる最初の瞬間であり、私自身が自作に自己評価を下す日でもあります。これは一日がかりのイベントで、私はスタッフのために宅配ピザを用意しています。次の撮影は個展開催中の会場です。これはホームページのExhibitionにアップするための撮影です。東京銀座のギャラリーせいほうでは照明がきちんと設備され、白壁に美しく映える作品が我ながらいいなぁと思い、工房との環境空間の違いに雲泥の差があると感じています。3回目はRECORDの撮影で、撮影用にRECORDの設置場所を工房に作って撮影しています。RECORDはポストカード大の平面作品で一日1点ずつ作っているので、1年間分を1回の撮影で済ませています。今日がその撮影日で、2人のカメラマンは午前10時半にやってきました。設置のために準備をして1年間のRECORDを1点ずつ撮影していきました。私は横目で撮影風景を眺めながら、陶彫成形をやっていました。時折目に入ってくるRECORDは懐かしいものばかりで、あの時はこんな思いをしていたなぁとか、この時は大変だったなぁと私の脳裏に去来し、たかが1年、されど1年の重みを感じていました。撮影が終了したのは午後1時過ぎでした。今日は若いスタッフもやってきていて、基礎デッサンに勤しんでいました。彼女と遅い昼食を済ませ、午後の作業を再開しました。スタッフもRECORDの撮影を見ていて、一日1点ずつ制作している私の姿勢をどこかで感じ取っていたようでした。すっかり習慣になっているRECORDですが、12年間の蓄積は我ながら大変なものだなぁと自負にも似た気持ちになりました。RECORDは1点1点が作品であるばかりではなく、ずっと継続している行為そのものがRECORD(記録)であって、その関係性や時間的な繋がりを表現にしているものです。心の日記とも精神の散歩とも呼べるかなぁと思っていますが、実際の制作は七転八倒していて、切羽詰った状況の中でやっているのです。それでも今日の年間撮影では満足を覚えました。1年間頑張った自分を褒めてあげたいと思っています。

関連する投稿

  • 飛躍の6月を振り返る 今日で6月が終わります。今月は7月個展のために図録を作成し、案内状も自宅に届きました。個展に出品する作品の梱包を始めていて、現在は陶彫部品を収納する木箱の製作に追われています。木材を調達しながら木箱 […]
  • 2020年HP&NOTE総括 2020年の大晦日を迎えました。今年は新型コロナウイルス感染症に翻弄された1年になりました。戦争のない平和な国・時代に育った私には初めての経験で、日々感染者が増えて命が脅かされる事態に不安を覚えたこ […]
  • 1月の制作目標 今日から仕事始めとなる職場が多い中で、私は年次休暇をいただいて、7日(月)から職場に出勤する予定にしています。今日は年末年始を通して毎日通っている工房に出かけて、朝から陶彫制作に明け暮れました。野外 […]
  • 週末 6月を振り返って… 6月最後の週末になりました。今日は朝から工房に篭って、個展搬入準備として作品の梱包作業に追われました。梱包用木箱を作る板材が不足し、午後は板材を追加購入してきました。梱包はあと僅かで終了です。今日は […]
  • 6月の目標は作品梱包 昨日、図録用の撮影が終わり、分解された陶彫部品があちらこちらに置かれた工房の室内は、さながら儚き夢の跡のような塩梅で、この夥しい数の陶彫部品を、7月の個展搬入のために、それぞれ梱包していくのが今月の […]

Comments are closed.