陶彫が連なる「発掘~連築~」

来年の個展に発表する作品は、現在制作中の屏風「発掘~地殻~」に加えて、床置きの「発掘~連築~」を考えています。「発掘~連築~」は過去自分が制作した陶彫の中では、一つひとつの部品が大きく相原工房の窯で焼成するモノとしては最大です。陶彫部品は7体あって、それを連ねて構成します。自分の夢に登場した壁が連なる風景がこの作品のイメージの源泉です。夢に登場した壁はかなり大きく幾何学的なカタチが刻印されていました。壁は錆びた鉄のようでいて硬質でありながら人間臭さが残る素材がイメージされていました。それを鉄そのものではなく陶を使って自分は表現します。夢の中の壁は何かを拒絶するような印象を自分に抱かせました。国家間を分かつ壁もあり、また人を分かつ見えない壁もあります。壁をテーマに選ぶのは意義があるように思えます。今回制作する陶彫作品は視界を遮るほどの大きさはなく、壁としての表現効果は望めませんが、将来は素材を別のものに変えて、実体として壁を作ってみたいと思っています。

関連する投稿

  • 週末 新作の全体構成を見る 今日は朝9時から夕方4時まで工房に篭っていました。週末となっても特別なことはなく、私は日々工房に通っているのです。ただ、週末は今までの慣習に従って、新作の制作状況を書こうと思っていて、そこに創作活動 […]
  • 週末 陶彫制作を続行 4月に入って初めての日曜日ですが、今日のところは通常通りの制作時間で陶彫制作を続行しました。先月末で二足の草鞋生活を解消した私は、もう少し余裕を持って制作が出来るのですが、習慣というか、現状保持が気 […]
  • 週末の意識が薄れている週末に… 週末になりました。今月は毎日工房に通っているため、やっと週末になったという意識がありません。週末の意識が薄れている週末とでも言うべきでしょうか。それでも今までの慣習に従って、新作の制作工程のことを書 […]
  • 帰宅後の工房通いについて 創作活動を行う上で、公務員との二足の草鞋生活で厳しい面は、何といっても時間確保です。週末だけではイメージ通りの作品が生まれず、作業の時間をどこで確保するのか、常に考えてきました。30年もこんな生活を […]
  • 2020’12月の制作目標 今月は師走と呼ばれている通り、1年の締めとして多忙を極める1ヵ月となります。そのためどのような制作目標を立てようか思案しているところです。陶彫部品を集合させて世界観を作る私の新作では、そろそろ土台と […]

Comments are closed.