ウィーンに思いを馳せる日
2012年 1月 2日 月曜日
昨晩NHKのTV番組からウィンナーワルツが流れてきました。恒例のオーストリア国営放送によるニューイヤーコンサートの模様を衛星で伝えていたのでした。1980年から85年までの5年間、自分はウィーンにいました。ウィーン国立美術アカデミーに籍を置いていました。自分が住んでいたのは外人労働者の多い10区で、当時完成したばかりの地下鉄(Uー1)に乗ってウィーン市街の中央にやってきて、大晦日は国立歌劇場でヨハン・シュトラウスのオペラ「こうもり」を観て、元旦は楽友協会ホールでニューイヤーコンサートを聴くのが恒例になっていました。もちろん全て立ち見でホール内の鉄柵に寄りかかりながら、一流の音楽を堪能していました。このコンサートを聴きに日本からやってくる観光客のためにチケット売り場の前で並ぶアルバイトをしたこともありました。自分が20代の頃の話で、身の丈に合わない雰囲気に飲まれ、それでも感覚を研ぎ澄ましていたのを昨日のことのように思い出します。あれから20数年が経ち、ウィーンでは相変わらず素晴らしいコンサートが開かれています。あの頃の自分と現在の自分が容易に比較できる幸せを感じながら、自分はその後の日本で過ごした歳月を思わないではいられません。何が変わったのか、または変わらないのか、ウィーンに思いを馳せることの出来るこのひと時を自分は大切にしています。
関連する投稿
- ウィーンからの懐かしいメール 1980年から85年となれば、今を遡ること30年前になります。オーストリアの首都ウィーンは地下鉄の交通網がシュタットバーン(市街電車)に取って代わろうとしていました。そんな頃に自分は市街から遠い10 […]
- 喪中葉書を受け取って… この時季になると喪中葉書が送られてきます。自分の年齢を鑑みると、本人ではなく、その関係者が多いのですが、たまに親交の厚かった本人であったりすると残念でなりません。自分が世話になった人が亡くなり、喪中 […]
- クラシック音楽を聴く機会 20代の頃にオーストリアの首都ウィーンに住んで、リング(環状道路)沿いにある国立歌劇場に毎晩通っていました…と、書くと自分はいかにも文化意識が高く、経済的にも恵まれた、どちらかと言えば鼻持ちならない […]
- オペラ盛況の中で ウィーン国立歌劇場の立ち見席で何度もオペラを観るうち、歌唱の巧みさがわかってきました。観客は正直なもので、実力派歌手が出演するオペラは立ち見席の窓口に長い列ができました。歌劇場を一回り以上の長蛇の列 […]
- ウイーン回想から始まる1年 昨夜、NHK番組からウィンナーワルツが流れてきました。恒例のオーストリア国営放送局が衛星で流している「ウイーン・ニューイヤーコンサート」の模様です。自分は毎年この時期にこの番組をブログで取り上げてい […]
Tags: ウィーン, 留学, 音楽
The entry 'ウィーンに思いを馳せる日' was posted
on 1月 2nd, 2012
and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.