ケーテ・コルビッツ模倣時代
2007年 5月 25日 金曜日
学生時代に唯一バイトで稼いだ金銭をつぎ込んでも欲しかった版画がケーテ・コルビッツの木版画でした。銀座の版画専門画廊にあったものに結局手が出せず、今となっては後悔しています。ケーテ・コルビッツの画集は洋書から翻訳したものまで、かなりたくさん買っています。自分も木版画をやっていて、コルビッツを初めとするドイツ表現主義の作風に魅かれていましたが、自分の作るものは全部気に入らず、版木を捨てていました。作品が刷り上って、しばらく眺めているとプロレタリア・アートかコミックのように見えてしまい、自分にはこうした表現が向かないのかもしれないと思っていました。コルビッツのような訴えるものがなく、ましてや棟方志功のような彫り跡の面白さもなく、悶々とした制作が続きました。コルビッツの木版画の部分を模倣したり、似た作風で試みたこともありますが、やはりワザとらしくなってやめてしまいました。コルビッツの何にそんなに魅かれていたのか、次の機会に振り返って自己分析してみたいと思います。
関連する投稿
- ハウス デア クンストとレンバッハ美術館 アルテピナコテークを観たその日にハウス デア […]
- 横浜の「バンクシー展」 横浜駅に隣接するアソビルで開催されているバンクシーの全貌を示す展覧会は「バンクシー展 […]
- 砂マチエール大量搬入 今日、東京神田の文房堂から砂マチエール200mlを18本、硬化剤200mlを30本、合計48本が職場に届きました。自宅は不在にしていることが多いので職場に搬入してもらいました。今日は家内が自宅にいた […]
- 橫浜の「エッシャー展」 既に終わってしまった展覧会の感想を述べるのは恐縮ですが、旧知の作品が多い有名な版画家の印象を改めて書きたいと思いました。オランダ人版画家M・C・エッシャーの作品を、私がいつ頃知ったか今も鮮烈に覚えて […]
- 今夏見たい展覧会 今夏の東京近郊の美術館では、自分の興味関心のある展覧会が目白押しです。2年ほど前までは自分の個展開催に合わせて東京の美術館を見て回っていましたが、最近はそれもできず、日を改めて美術館に行くことになり […]
Tags: 作品, 制作, 版画, 芸術家
The entry 'ケーテ・コルビッツ模倣時代' was posted
on 5月 25th, 2007
and last modified on 1月 29th, 2010 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.