ドキュメンタリー番組で知る闇の世界

昨日、職場に送られてきている朝日新聞のテレビ欄の記事に注目しました。衛星放送で「馬三家からの手紙」を放映するというもので、その内容に戦慄を覚えました。私は中国の労働教養所の存在を知らず、21世紀になった今も前時代的な拷問や強制労働が行われていることに驚きを隠せませんでした。ネットで調べてみると、収容された人からの実態を伝える手紙の掲載があって、信じられないような人権蹂躙の事実が明らかにされていました。中国は共産党支配の国家で、思想的な統制があることは分かっていましたが、これほどまでに激しい弾圧があることに、民主国家に生まれた自分は異質な感覚を覚えます。確かに30年前に欧州で暮らしていた私は、東欧を訪ねる度に一党独裁国家を眼のあたりにしてきました。旅行者であった当時の自分には本当の実態は分からなかったのかもしれません。BS1で放映されたドキュメンタリーは午前0時の深夜番組でしたが、中国政府が弾圧する「法輪功」という気功集団のメンバーである一人の男性が、遼寧省の馬三家労働教養所に収容され、そこで受けた拷問を手紙にして、所内で製造される玩具の飾りに忍ばせて、外部に発信するというものでした。その手紙をアメリカ人女性がたまたま発見し、それが世界的に広がっていく状況を番組は捉えていました。男性は施設を出た後、労働教養所の実態をアニメーションにしていました。番組の終盤で衝撃的な結末が待っていましたが、カナダ発のドキュメンタリーは闇の世界をどんな思いで取材し続けたのか、取材スタッフが危険な目に遭うことはなかったのか、見終わった後でそこが気になる番組でした。

関連する投稿

  • 週末 梅雨前線の活発化 週末になりました。昨晩から関東地方は豪雨に見舞われていて、夜中に警戒警報が鳴りました。土砂災害に纏わる避難勧告が出されていましたが、私が住んでいる地域は周囲に河川が少ないため、大きな被害にはならなか […]
  • 厚板下書き&バラ園散策 中規模の新作は今日から作り始めました。過去幾度となく私が作ってきたテーブル彫刻になりますが、今回の新作では陶彫部品を接合せず、木材のみで作ります。厚板を4本の柱で支える構造ですが、厚板には文様化した […]
  • 東京の自衛隊大規模接種センターへ… 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まり、私は65歳になっていたので、既に接種券や予診票が横浜市から送られてきていました。すぐに地元の横浜市のワクチン接種に関するネットにアクセスして、何度か予 […]
  • 体力維持のために… 私は自宅の近くにスポーツ施設があるため、そこで水泳をしていました。20年以上も前は仕事帰りに夜間コースに通い、そこで知り合った仲間たちとマスターズ登録をして、年齢別の競技大会にも出ていました。その頃 […]
  • 一日のルーティンを考える 学校を退職し、私は日々の出勤がなくなりました。一日中自由に過ごせる日常は、退屈と隣り合わせになるかなぁと考えていましたが、1週間以上が過ぎた今は校長職にあった時と変わらない時間の使い方をしています。 […]

Comments are closed.