週末 形而上・前衛・若手作家

表題にしたコトバは今日出かけた3つの展覧会によるものです。鑑賞のために東京に出かけましたが、週末の今日は制作をしないわけにいかず、朝7時から工房で1時間程度の彫り込み加飾をやりました。それから家内と自宅を出て、まず新橋にあるパナソニック汐留ミュージアムで開催している「ジョルジョ・デ・キリコ展」に行きました。形而上絵画の巨匠として知られるデ・キリコですが、まとまった作品を見るのは初めてでした。詳しい感想は機会を改めたいと思います。次に新橋からJR総武線に乗って千葉まで足を伸ばし、千葉市立美術館で開催中の「赤瀬川原平の芸術原論展」に行きました。先日惜しくも他界した前衛芸術家赤瀬川原平氏ですが、展覧会開催中にご本人が亡くなったので、結果的には遺作展になりましたが、元来は回顧展でした。創作活動の幅の大きさ、社会と表現との関わり等を多くの資料や作品を使って見せていただきました。これも詳しい感想は別の機会にします。3つ目の展覧会は相原工房に出入りしている若手画家が原宿のデザインフェスタギャラリーで2人展をやっているので見て来ました。彼女は絵画とイラストを展示していました。遊び心いっぱいの作品でしたが、まだまだ若いので全力をかけた作品が望まれるところです。デ・キリコや赤瀬川原平を見て来たところなので、つい厳しい眼を向けてしまいますが、安易な方向に流れないようにしたいものです。現在はひと昔前と違って発表する施設や機会がたくさんあります。それだけに気に留めておかなければならないこともあります。簡単に出来ることは簡単に止められるということで、そんな中で夢を持った多くの作家が自然淘汰されていくのではないでしょうか。表現の修得や思索には、個人差はあるにしても多くの労力と時間が必要だと思います。自己表現の核が出来なければ発表は控えるべきというのが自論です。3つの展覧会を回っていろいろな考えが頭を過ぎった一日でした。

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