「構築~楼閣~」について

今年7月の個展で発表する木彫と陶彫による作品の題名を「構築~楼閣~」にしました。「楼閣」とは高い構えの建物という意味です。現在制作中のこの作品は、昨年発表した「構築~瓦礫~」のように割れた球体をいくつも作って散在させるのではなく、大小の四角錘や三角錘で構成する集合彫刻です。これは高さを誇るように建造物が点在する架空の都市空間を出現させる意図があります。昨年の「構築~瓦礫~」とは異なった印象になると考えていますが、木材による柱8本を円形に配置して1本ずつを陶彫土台に接着するところは同じです。その柱を斜めにして中心から広がるように配置するので、ちょうど昨年の逆のカタチになります。昨年「構築~瓦礫~」とともに発表した「構築~包囲~」は、柱を円錐状に立ててそれぞれが中心に向くように構成しましたが、今年は中心から広がる構成「構築~楼閣~」になり、それとともに発表する「構築~解放~」は、ちょうど「構築~包囲~」と対峙するものと考えています。上に広がる複数の柱でギャラリーを空間演出するというのが今年7月の個展の内容です。

関連する投稿

  • 風薫る5月初め 5月になりました。今日と明日は通常出勤なので、今日は連休に挟まれているものの職場でしっかり仕事をしています。この時期は重要な調査を抱えているので、2日間の出勤はやむを得ないと思っています。5月は風薫 […]
  • 6月の制作計画 6月になりました。梅雨の時季を迎えますが、じめじめして湿気の多い毎日は好きになれません。でもこの季節が陶芸には最適で、土がゆっくり乾燥するので、ひび割れが少ないのです。今月は来年に向けて新作を進める […]
  • どこまで修整が許せるか… どこまで修整が許せるか、これは作品制作における素材が意図に反して起こすアクシデントのことです。自分の制作を突き詰めていく修整(修正)のことではありません。たとえば木彫における木材の裂け目、石彫におけ […]
  • 「瓦礫A」荒彫り終了 昨年のブログを読むと、「起源」の柱の彫りの進み具合のことをよく書いています。ブログはもちろん万人に公開しているものですが、自分の制作工程のメモとして活用していて、現在の作品の進み具合をリアルタイムで […]
  • 出品作品のメンテナンス 19日に群馬県高崎市に運搬する「発掘〜鳥瞰〜」を倉庫から出して、梱包を解いて破損がないかどうか確認しました。東京銀座のギャラリーせいほうでの個展に出品してから3年が経っています。部分的な修復をして再 […]

Comments are closed.