石田徹也遺作集
2007年 1月 23日 火曜日
昨日行った「有元利夫展」の出口のところで、「石田徹也遺作集」を見つけて買い求めました。有元利夫は38歳、石田徹也は31歳で夭折した画家です。石田徹也を知ったのはNHK新日曜美術館でした。TVを見ていて、かなり衝撃を受けました。画集が欲しいと思っていたので、この冊子を見つけた時は咄嗟にレジに走ってしまいました。石田徹也の画風は、有元利夫の西洋風な気品溢れるものとはまるで異なり、現代日本の闇の部分を象徴するようなテーマで描かれています。社会を独特な視点で捉え、無表情な自分を登場させて、社会と個人の関わりを表現しています。描かれた本人の目はどこを見ているのか判然としない、それでいて雄弁な表現力はもの凄いものがあって、一度絵を見ると忘れられない魅力を秘めています。なんの理屈もなく心に入ってくる絵です。本当に短かった生涯でしたが、心身を削って描いていたのかと思えるような気分になってしまいます。
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Tags: 展覧会, 書籍, 画家
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on 1月 23rd, 2007
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