小品に壮大なイメージを見る
2017年 5月 23日 火曜日
工房の窯が一段落したので、今晩から電気を復活させました。先週末に小品を5点成形したので、それらに今日から彫り込み加飾を施しました。今晩は手始めに2点行いました。小品はただサイズが小さいだけで、イメージは大きなものと変わりません。鑑賞者がどう感じ取るか自由ですが、私は彫刻の大小に囚われずに壮大なイメージを描いています。そういうふうに感じてくれるかどうかは鑑賞者次第ですが、図録では小品を野外で撮影する意図はそこにあります。野外ではサイズがわからなくなる錯覚が生じることがあって、撮影された画像に楽しさを覚えます。小品を作っている時の自分の頭には、広い風景が浮かんでいて、そこに建造物が聳え立っているのです。頭で考える世界に酔いながら、陶土を付け足したり、削ったりしているのです。私は架空都市や心象風景を具現化しているので、鑑賞者が眼でその中に入り込み、遊んでくれることを大切にしています。ドローンで天空から眺めた大地に近づこうとしています。説明的な都市機能や風景の細かい情景は省略して、抽象化したカタチとして表象していますが、イメージは具体的なものが思い浮かんでいて、私はこの陶彫による集合彫刻を作り始めた若い頃から、ずっと壮大なイメージの虜になっていると言っても過言ではありません。高さ30cmの小品ですが、そこに鑑賞者が壮大な空気を感じ取ってくれれば作家冥利につくと思っています。
関連する投稿
- 週末 「群塔」撮影日 今日は今夏個展で発表する「発掘~群塔~」の撮影日でした。この撮影日が作品の完成日となります。陶彫部品を組み合わせて集合彫刻としてまとめ上げる私の作品は、スタッフの協力がなければ組み立てられない作品な […]
- 週末 撮影の準備に明け暮れる 6月最初の週末を迎えました。明日を図録用撮影日にしているため、今日はその準備に奔走しました。毎回のことでどんなに準備万端と思っていても小さなミスはあるものです。早速陶彫作品の組み立てに使う金具の寸法 […]
- 8月 制作目標を考える 8月1日になりました。今日は生活習慣病検診があって、職免をいただいて午前中は病院に行きました。胃の検診でバリウムを飲むので、午後は職場に行かず、今日も昨日と同じ夏季休暇の半日分を取りました。自分はバ […]
- 案内状の画像打ち合わせ 今晩、カメラマン2人が工房にやってきました。先日撮影した「発掘~丘陵~」の画像を個展の案内状にするため、いくつかの画像を持参しました。自分はその中で1点選び、案内状のフォームを決めました。個展の案内 […]
- アトリエの再現 芸術家が作品を生み出す場所や周囲の環境に覗き見的な興味を私は持っています。学生の頃も大学の一角を使って、彫刻科の先生方が真摯に制作されている現場を垣間見て、自分の意欲を高めたりしていました。東村山市 […]
Tags: イメージ, 写真, 工房, 陶彫
The entry '小品に壮大なイメージを見る' was posted
on 5月 23rd, 2017
and last modified on 5月 27th, 2017 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.