師匠の温かい助言

先日、ドイツの菓子シュトレンを長野県に住む彫刻家池田宗弘先生に郵送しました。そのお礼を兼ねた電話があったそうで、私が仕事で不在だったため家内が電話を受けました。私とも長電話になる池田先生ですが、私のことを気遣っていただいていることが家内に分かったようで、先生から言づけられた長い伝言を家内から聞きました。それは創作活動に関することで、私の作品を見ている鑑賞者から頑張っているという評価があったとしても、その言葉に左右されて、さらに頑張り通して心身ともに燃え尽きないようにという助言でした。創作活動はもっと自由なものなので、人からの評価で生真面目な私が苦しめられていないか、そこが心配だと先生は言うのです。マイナス評価ではないところが今回の助言の主訴で、作品の質がどうであれ温かい助言をいただいたものと私は理解しました。今までの14回の個展を見ていて、昔から馴染のある池田先生とギャラリーせいほうの田中さんが私について話し合っているようです。漏れ伝わった話では、アイツはこのままで大丈夫かということになっているようで、先輩たちの関心事に有難い気持ちにもなりました。私にとって父が亡くなって以来、池田先生が父親代わりになっている錯覚を持っていて、それは池田先生にとっても同様で、私を息子のように思ってくれていることが、今回の助言に表れていると感じました。でも私はこう見えても結構クールで人に左右されません。自分で考えを決めている結果として、毎回個展をやらせていただいております。外圧ではなく、内面から迸るものがあるから創作をやめられないのです。でもいつかはイメージが枯渇する時があるのかなぁと不安にもなりますが、イメージの限界はどこにあるのか分からない今は、只管将来を信じて進んでいくかしないと思っています。あと10年先、20年先の自作はどうなっているのか、考えたところで仕方がないので、とりあえず今は来年夏に発表する新作に没頭するだけです。

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