週末 3点目の陶彫成形
2021年 6月 20日 日曜日
日曜日は毎回美大受験生が2人工房へやってきます。彼女たちのうちの一人は予備校の夜間コースに通っていて、そこで出された課題を工房に持ち込んでくるのです。昼間は高校に通い、夜は予備校、そして週末は工房にやってくるというハードなスケジュールで頑張っていて、自分が思うようにいかない内面的な部分を抱えながら日々を送っているのです。美術系の専門家を目指す第一関門は、己を知るところから始まって、それはずっと続いていくものです。私も何十年も美術に関わってきて、今でも己を疑い、己と闘っていると言っても過言ではありません。私の場合は受験というゴールは既にありませんが、創作活動のことを人から聞かれると、大学の卒業制作がずっと毎年リニューアルして延々と継続している感じかなぁと答えています。今日は来年に向けた新作の陶彫部品の3点目になる成形を作っていました。集合彫刻と言えども、そのひとつひとつの部品には全力で取り組んでいます。成形は彫刻的な作業で、構造を把握しながら立体を作っていきます。私にとって楽しい作業ではありますが、夢中になればなるほど骨が折れます。こんな立体をこういう部分で位置づけていこうと考えながら、微妙な膨らみを調整していくのです。ただし、陶土が無垢ではないため、大きく塊を削ったり、付け加えたりすることができません。裏側の厚みを常に考えながら、立体として納得できるカタチを追求していくのです。それと同時に表面に施す彫り込み加飾のことも考えていきます。長年付き合っている陶彫であるため、焼成した後の効果も想定に入っています。最終的なカタチが見えている中で、現行の制作を進めることは、イメージとの確認がやり易い結果となり、気持ちとしては楽になります。今日は夕方まで陶彫成形を頑張っていました。受験生2人を車で送りがてら工房を後にしました。
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Tags: 制作, 創作, 工房, 彫刻, 陶彫
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