「第二章 菩薩-仏になるため悟りを求める修行者」について

「仏像図解新書」(石井亜矢子著 小学館新書)の中で如来の次に登場するのは菩薩です。「優しい表情を浮かべ、人々を苦しみから救いながら、如来となるための修業に励んでいるのが、菩薩という尊格である。~略~はじめ菩薩は、悟りを開く前の釈迦、ゴータマ・シッダールタを意味するものだった。それが、大乗仏教という新しい仏教の興隆によって、その性格に変化が生じる。大乗仏教の基本的な考え方は、自分の悟りを求めるためだけに修業するのではなく、広く他者をも救おうということ。それが菩薩の性格にも反映され、菩薩は”衆生を救済しながら悟りを求める修行者”という、如来に次ぐ仏となった。~略~菩薩を本尊としている寺院はかなりの数にのぼり、おそらく如来の数を超えている。最高位の存在である如来よりも敷居が低かったこともあるだろうが、誰をも等しく救ってくれるという慈悲の心をあらわす、女性的な姿の美しさや優しい表情などが、人々に親しまれた証なのだろう。」代表的な菩薩は14もあり、どれも有名なものばかりなので紹介していきます。まず弥勒菩薩。「菩薩時代から、如来となることが釈迦によって約束されていたため、如来と菩薩の両方が存在する。」次に聖観音。「観音という尊格は、紀元1世紀ころにインドで誕生した。その正統的な姿を伝えているのが、聖観音であるとされる。」次に十一面観音。「あらゆる方向を向き、衆生のどんな苦難も見逃さない。名前のとおり十一の顔をもつ観音は、現世利益をストレートに示して、貴賎を問わず多くの人々の心をとらえた。」次に千手観音。「すべての人々を救うという観音の慈悲を、目に見えるかたちではっきり示しているのが、千の手をもつ千手観音である。」次に不空羂索観音。「手に羂索を持ち、額には第三の目、肩には条帛の代わりに鹿皮をまとうのが不空羂索観音の特徴。」次に如意輪観音。「人々に金銀財宝を与え、それを得たのちの精神の幸福をももたらすと約束し、篤い信仰を集めた観音である。」次に准胝観音。「仏を生む大地母神的な性格が注目され、子授けや安産が願われるようになった。」次に馬頭観音。「平安時代に六観音信仰が盛んになると、馬頭観音は畜生道を守護する仏とされた。」次に文殊菩薩。「諸仏の智慧を象徴し、智慧の力で人々を悟りへと導く菩薩である。」次に普賢菩薩。「六牙の白象に乗ってあらゆる所にあらわれ、衆生を救う。」次に地蔵菩薩。「悟りを求める心は大地のように堅固で、人々に代わってどんな苦悩を受けても揺らぐことはないという、頼りがいのある菩薩である。」次に日光菩薩・月光菩薩。「どちらも単独で信仰されることはなく、かならずペアで薬師如来を護る。」次に虚空蔵菩薩。「大きな福徳を授けてくれる菩薩としても信仰を集めることになり、その信仰は奈良時代まで遡る。」最後に勢至菩薩。「智慧の力で人々を迷いから救う菩薩である。」以上ですが、菩薩の人気が窺える章でした。第三章は明王です。

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