「超越論的ー論理学的問題設定の諸疑問」第71節~72節について

「形式論理学と超越論的論理学」(エトムント・フッサール著 立松弘孝訳 みすず書房)の小節のまとめを行います。第二篇「形式論理学から超越論的論理学」の第2章「超越論的ー論理学的な問題設定の最後の諸疑問、基本概念の諸問題」は、題名が長いので、題名表示を多少省略をさせていただきました。今回は第71節から第72節を読み解いていきますが、これで第2章は終了になります。第71節では論理学の位置づけを確認している文章がありました。「(基本概念の創作は)あらゆる学問にとって、真実この語の最高の意味での基礎づけの遂行である。しかし何よりも論理学にとってそうである。論理学はあらゆる学問にとっての原理的な方法であり、そして方法一般の先験性(アプリオリ)の内部で、あらゆる学問の特殊な諸方法を包括し、しかも諸原理に基づく特殊な諸方法の形成を自覚して規制することを使命にしているのである。」第72節ではアプリオリを客観的、相関的に分けて考察していました。「主観的な諸構造は客観的なアプリオリと相関的なアプリオリを示している。~略~一つの事実判断を一つの判断形式一般へ変える形式化の一般化は、主観的な観点では必然的に本質の一般化であり、しかも事実判断の明証性を相関的な意味で形式的に一般化することである。」また著者はこのようにも述べています。「形式論のどの操作法則にもアプリオリに対応しているのが、構成する主観性についての主観的な法則性、すべての各判断者と、諸判断から新たな諸判断を形成する彼自身の主観的な種々の可能性とについての形式的な法則性である。」次の章では論理学が用いる理想化(イデア化)する諸前提についての考察が出てきます。今回はここまでにします。

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