週末 再び陶彫制作へ戻る

先月の週末はほとんど厚板材を加工して土台作りに充てていましたが、今月の週末はもう一度陶彫制作をやっていこうと思っています。新作の陶彫部品がまだ足りないことが分かって、昨日は美術館に出かける前に、工房に行って土練りとタタラを準備しました。陶彫の成形をやっていると楽しさが甦ってきます。私はずっと陶土と付き合ってきました。焼成後の陶彫の素材感のことを思いながら、当初のイメージを確認しています。今回の新作は陶彫成形を矩形にすることがほとんどで、曲面が出てきません。陶彫の面白さは曲面にあると言ってもいいくらいですが、今回は敢えて脱情緒を狙いました。生物的な動きが出せるのが、陶彫表現の特徴と言えば特徴ですが、もう一度「発掘」という意味合いに戻すために、発掘された架空都市を作ることにしたのです。自己感情のコントロールは抽象的な規定を作ることで、内面に秘めていけると思っています。もともと陶土は可塑性があり、金属や石のような硬質な素材ではないため、幾何抽象には向きません。それでも矩形に拘って作り続けています。私の技術的な不器用さもあって厳密な平面にはなりませんが、建築と違い彫刻は平面を折ったような立体に見えれば可としています。今日の午前中は陶彫成形を1点作りました。午後は彫り込み加飾を行っていました。今日はいつものように美大受験生が工房に来ていました。彼女は鉛筆デッサンをやっていますが、短時間で形が取れ、また陰影がつくようになりました。若い人の進歩は凄いものがあるなぁと思いました。ただ、美術の専門分野への道はまだ始まっていないのが現状で、今は基礎トレーニングをしているだけで、これからスタートラインに立って、紆余曲折しながら自分を見極めていくのです。先が長いなぁと思いながら、夕方に彼女の自宅近くまで車で送りました。また次回頑張ろうと思います。

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