「植物・自然素材」について

「藤森照信建築」( 藤森照信著 増田彰久写真 TOTO出版)の「植物」と「自然素材」についてのまとめを行います。「これまで世界の有名無名の建物を見歩いてきたなかで、建物と植物の視覚的関係がうまくいっていると思ったのは、フランスの一群と日本の一群である。ともに、茅葺き屋根のてっぺんに草花が植えられていた。」とあり、屋上庭園の試みが建築史を遡って書かれていました。著者が建築した「タンポポハウス」「ニラハウス」「一本松ハウス」「ツバキ城」「養老昆虫館」「ラムネ温泉館」「ねむの木こども美術館」の写真があり、造形の面白さに刺激を受けました。「自然素材」では木材について書かれていた箇所が気になりました。「そうした個別性、不均質さを表立たせるには、手を使い、割ったり削ったり焼いたりするのが一番いい。割れや曲りや節を取りさり、より均質化したものをカンナで削ってツルツルピカピカにするのが一番よくない。人は個別で不均質で粗い表面を見ると、触覚が刺激される。実際に触らなくとも、視覚を通してザラザラした肌触りを覚えてしまう。焼杉の一部崩れはじめた炭化層を目にすると、炭が肌に付着したような気持ちになる。おそらく、過去の経験がそうさせるのだろう。」また土についてこんな文章もありました。「たしかに、土は他の自然素材とはちがう。木をはじめ自然素材の特徴は、手に応答してくれる点だが、土が一番で、完全に手に応答して凹んだり盛り上ったりしてくれる。そのせいか、土を扱っていると、手を通して意識が土の中に没入してしまい、皆、無口になり、黙々と作業を続け、もっとやりたい。」私も陶土を扱っているので、これには共感しました。著者が建築した「神長官守矢史料館」「浜松市立秋野不矩美術館」「ザ・フォーラム」「熊本県立農業大学校学生寮」「不東庵工房」「焼杉ハウス」の写真があり、どこか懐かしくて新しい不思議な感覚を齎す建造物ばかりで、心底目で楽しむことが出来ました。私は実際に外見としての「ニラハウス」を見たことがあり、「浜松市立秋野不矩美術館」にも訪れ、同館の内装もじっくり見させていただいています。機会があればその他の建造物も実際に見てみたいと思っています。個人宅は無理かもしれませんが…。

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