日常生活が変わる時

私は30歳で地方公務員になってから30年以上が過ぎ、毎日職場に通う生活を送っています。それまで海外で自由に生きてきた自分には、当初窮屈な生活に辟易していましたが、その規則性に徐々に慣れてきて、社会人として真っ当な生き方をしている自分に満足もしています。12年前に管理職になり、組織運営をやっている自分が時折信じられなくなる時もあります。自分にそんな資質があったとは思いもよらず、組織に頼られている自分は本当の姿だろうかと疑うこともあります。職場では日々いろいろなことが起こり、それに対応している自分がいるのも確かで、当然のことながら自分のことより職場を第一に考えて、私は仕事をしています。それが週末にやっている創作活動と大きく異なるところです。二足の草鞋生活と私は称しているのは、公務員としての仕事と彫刻家としての仕事の両立を図る上で、便宜上使用している名称ですが、これも来年3月末で終わりになります。いよいよ日常生活が変わる時がやってきますが、今のところ実感はまるでありません。近隣に住む人生の先輩に65歳から75歳までの10年間は、やりたいことが人を憚らず思い切りやれて素晴らしい10年間だよと言われたことがありました。本当にそんな10年間が過ごせるのだろうか、私は二足の草鞋生活が変わることに不安を覚えることも多々あるので、近い将来に大きな夢を描くことが出来ません。若い頃は待ち遠しかった定年退職。退職すれば好きな彫刻にずっと関わっていられると思っていたことが、いざ数ヵ月後に退職となれば、二足の草鞋生活を基盤にしてスケジュールを組み、その上で創作活動を行い、東京銀座で個展まで企画していただいている現状を変えていかざるを得ないことに、何とも複雑な心境になるのです。ウィークディの昼間に創作活動をやっているのは、今までは年末年始の休庁期間か、夏のお盆の時期しかありません。それがずっと創作活動が出来る時間が続くことに躊躇もあります。発想の転換は創作活動だけでなく、自分の人生そのものにも必要だと思うことにしました。素晴らしい日常生活が送れるように考えていこうと思います。

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