週末 陶彫制作&亡母の遺産相続

昨日、亡母の遺産を管理している税理士が自宅にやってきました。生前の母は家賃収入があり、それを母が入所していた介護施設の経費に使っていました。父が亡くなる前に、両親が揃って公正人役場に出向き、それぞれ公正証書(遺言)を作成しました。これは遺産を巡る兄弟間の争いごとを解消するための法的手段で、それを根拠として亡母の遺産相続を始めました。詳しいことはここには書けませんが、そうしたことに私は時間を割く必要があり、これは私が公務員管理職としての現職であるうちに終わらせたいと思っているのです。退職後は心置きなく創作活動を楽しみたいと願う私の気持ちがそうさせていると言えます。遺産相続の件はひとまず置いて、今日は工房に朝から篭りました。工房に出かけると、私は遺産相続のことや公務員管理職としての仕事のことも全て忘れて創作活動一本に気持ちが変わります。心が浄化すると言った方がいいのでしょうか、それとも現実逃避なのでしょうか、そのどちらでもあると思いますが、創作活動というものが私を救っていることは確かです。土曜日に行なう陶彫制作の内容は、土練りやタタラの準備で、明日の成形に備えて行なうものです。定番化した内容ですが、それでも私は陶土に触れていると心がワクワクしてくるのが不思議です。私は定番化した内容をただ只管遂行しているだけではなく、作品が徐々に出来上がっていく過程で、完成イメージの醸成も行なっています。陶彫部品が具体的に出来上がっていくと、これらをどのように構成していくのか、最初の大まかなイメージから一歩進めて、それぞれの陶彫部品の配置や土台の造形まで考えながら、頭を巡らせていきます。私はエスキースを書かない代わりに頭の中で何度もイメージの更新を行なっているのです。それでも当初のイメージから大きく逸れることはありません。新作のイメージが次第に具現化されるにしたがって私の心は高揚してきます。もう少し時間があればと思いつつ、身体が疲労を溜め込んでいるため、夕方になると頑張りがきかなくなってしまいます。また明日考えることにします。明日は23点目の成形に入ります。

関連する投稿

  • 風薫り 緑繁れる時 5月末になり気温が上昇してきました。梅雨入り前のとても気持ちのよい時季です。週末の制作疲れを抱えながら、今日も職場で仕事をしていましたが、ややもすれば新作のイメージが頭を過ります。自分の創作に対する […]
  • 時間刻みの生活について 芸術家は自由な時間の中からインスピレーションを得て、それを具現化する仕事だという認識が、私は学生時代からありました。亡父は造園業、祖父も先代も大工の棟梁という職人家庭に育った自分は、自ら決めた時間で […]
  • 書物の魅力について 自分は昔から書物が大好きです。本の虫と言うわけではないけれど、常に書物を携帯しています。書物は扉を開くと無限な世界が広がっている感じがしています。それは映像のような視覚的イメージが限定されない世界で […]
  • イメージをもつ 創作活動では頻繁にイメージというコトバを使います。エスキースは具現化する前に行う作品の完成予想図のことで、頭の中に広がるイメージを出来うる限り描きとめる方法です。何かをイメージすることはモノ作りには […]
  • 創作に思いを馳せて… 公務員としての仕事中に、ふと創作に思いを馳せることがあります。ほんの少し心を解放して制作中の作品のことを考えます。頭の中で描くイメージ。顕在化しない自分の中の自由な落書。まだ自己表現を見つけられない […]

Comments are closed.