週末 梱包完了して安堵感

私の彫刻作品が陶彫という技法を使っているために、個展の搬入搬出や保存に結構気遣ってきました。焼き物は割れ易いということがあって、木割で補強した丈夫な木箱にエアキャップで包んだ陶彫部品をひとつずつ収めているのです。陶彫である以上、梱包に時間がかかるのは仕方がないと思っています。例年この時期は梱包に明け暮れています。今日やっと梱包が完了しました。昼過ぎに搬入業者が荷物の状態を見に来ました。昨年よりやや少なめの木箱の量を見て、来週搬入のトラックの大きさや作業員のことなどを見積もっていました。毎年お願いしている業者なので、私は安心して任せられるのです。梱包材で包んだ板材や木箱に収めた陶彫部品の他に、電動工具や接着剤などを準備して工具箱に入れて、それも持って行きます。後はどのくらいスタッフが集められるのか、私の方でそれぞれに連絡をしなければなりません。実はこの梱包作業が完了して、私は漸く安堵感を持ちました。それでも毎年やっている個展というイベントは、開催までに何があるのか分からず、慣れというものは存在しません。毎年のように何かしら問題が生じることあるのですが、もともと非日常空間を作るための苦労なので、内心は楽しくて面白くて、つい夢中になってしまうのです。人は生活を豊かにする媒体に痺れてしまうものなのかもしれません。これに生活がかかっていると思うと世知辛くなってしまうのです。もちろんギャラリー関係者は生活がかかっているものですが、私にとっては自分の思索を具現化し、理想の空間を創出するための手段なので、生活とは関係ないところに立っていられるのです。私が建てた工房も非日常です。そこに通ってくる美大受験生も大きな捉えの中では特殊な世界で生きていると思っています。今日は朝から毎週来ている高校生がいました。蒸し暑い工房の中でデッサンに励んでいました。彼女を代車で送りながら、ディーラーに立ち寄り、車検の済んだ光岡ビュートを取ってきました。来週はビュートに5人乗って東京銀座に向かいます。

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