週末 屏風裏面塗装&最新作続行

週末になりました。関東は梅雨に入り、今日は時折どしゃ降りの雨が降りました。湿気を孕んだ気候は、人には不快を与えるものですが、陶彫には絶好の季節で、とりわけ乾燥がゆっくり進むので、その段階で罅割れることが少ないのです。陶彫にとって湿気は歓迎すべきことなのです。作業する身にとっては気温がそれほど高くなくても湿気によって汗が滴り、シャツに滲みを作っていました。今年も個展が例年のように開催されることになって、出展作品の修整や梱包に弾みがつきそうです。7月19日(日)が搬入日になったため、そこまでの週末の作業を計算してみました。私は横浜市公務員との二足の草鞋生活のため、毎年のように時間はないのですが、今年も例外ではなく余裕は全くありません。工房で午前中は、「発掘~聚景~」の屏風裏面の塗装をやっていました。裏面の塗装は6点全て完了し、塗料の乾燥を待って明日から梱包を始めます。「発掘~突景~」の番号印を貼る作業もやりました。出展作品の準備として今日はここまでかなぁと思い、午後には最新作品の2点目になる陶彫部品を作るための準備をしました。背の高い直方体を作るために数枚のタタラを作りました。小分けにして菊練りした陶土を掌で叩いて、座布団大に引き伸ばします。紐作りの補強用に陶土を残しておいて、水を打ちビニールをかけて準備終了となります。毎回やっている作業ですが、結構パワーを使います。夕方は雨が降ったり止んだりしていて、ふと目をやると工房の周囲にある木々の緑が潤っていて、とても美しいと感じました。とくに紫陽花の色彩は微妙なニュアンスがあって、暫し見惚れてしまいました。自分の作品は幾星霜にも耐えてきた建造物を表現した「発掘シリーズ」ですが、周囲にある花々の可憐な美しさは、自分の求める美とは真逆にある価値を有していて、心を和ませてくれるもののひとつです。工房に来る度に色濃くなる木々の緑に、常に変化する自然の素晴らしさを感じずにはいられません。うっとうしい梅雨ですが、周囲の自然環境だけは心にゆとりを持って眺めていたいものです。

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