「突景」印のデザイン

少し前のNOTE(ブログ)に、「聚景」印のデザインというタイトルで新しい印を彫ったことを書きました。今回は「突景」印のデザインです。「発掘~聚景~」はやや大きめ、「発掘~突景~」は小さめの石材を選んで、印面をデザインして彫り上げました。「発掘~聚景~」は屏風と床置きがあり、陶彫部品がかなり多いため、写真撮影前までに印に番号を書き込んで貼り付けました。それを確認しながらスタッフたちが組み立ててくれたのでした。「発掘~突景~」の部品は、陶彫部品と木彫柱を合わせても6個しかないため、印は必要ないかもしれません。それでも私は新作には必ず新しい印を付けることを決めているので、「突景」印をを彫ることにしたのでした。陶彫部品に貼り付ける印はほとんど陽刻にしています。印には陰刻もありますが、私の好みで陽刻にしているのです。印を彫る作業は、私にとって好きな作業なのかもしれず、多忙な時に面倒と思っても嬉々として楽しみながらやっています。印刀も数本用意していますが、気に入ったものばかり使ってしまい、そろそろ印刀を研がなければならないなぁと思っています。印刻は本作品における必要に迫られた余興なのかもしれず、また表面に出ない創作活動と思っています。印をよく見てくれるのは作品の組み立てに関わるスタッフだけです。「突景」印のデザインも今まで通り構成は自由にやっていて、氏名が読み取れるギリギリまで抽象化しています。古代の絵文字のようなイメージで作っています。このところ印は結構増えてきて、工房の印を収める箱には数多くの印があります。今まで陽の目を見ない印ですが、印を集めて展示するのも面白いかもしれません。

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