イメージの更新
2020年 6月 4日 木曜日
新作のイメージはどういう場面で湧いてくるのでしょうか。私の場合は現行の作品制作が佳境を迎えているか、また課題に突き当たって困難を極めている時に、ふと湧きおこることが多いと感じています。現行の制作に落ち込んでいる時に、天上から新たなイメージが降りてきた経験もあります。現実逃避なのかとその時は思いましたが、そう感じてしまうほど藁にも縋りたい気分だったのでしょう。新たなイメージが湧きおこった時に、紙に描き留めておく作家も多いと思いますが、私は敢えて記録に残しません。記録より記憶を大事にしていて、数多いイメージの中から取捨選択があるまで心に留めておくのです。イメージは繰り返し登場してきます。一度で忘れるイメージもあります。その中でほぼ決まってきたイメージはさらに更新をしていきます。創作活動においてイメージを心に描いている時が一番幸福な時かもしれず、また作品が完成した時に当初のイメージを確認する時にも幸福を感じます。作品完成の確認は先日の図録用写真撮影の一コマでした。それはじっくり見て考えるものではなく、瞬時に感じてしまうものなのです。現在は新たなイメージが更新されて、さらに具体的な形態が浮かび上がっています。最初のイメージは箱の中に収まる世界を陶彫による集合体で表現しようと思っていました。イメージが更新されるにつれて次第に箱という枠が外れてきましたが、それでも矩形を留めています。箱は床置きにしようと思っていて、地を這うイメージはそのまま継続されています。最新作は床に広がる世界です。まだコトバで説明できない朦朧としたところもありますが、とりあえず来週末に最新作になる陶彫部品を1点作ってみようと思っています。厳密な全体設計図はなく、手を動かしながら具現化を辿っていく方法を私はとっています。
関連する投稿
- 「発掘~聚景~」のイメージ 厚板6枚で屏風を構成し、その屏風と床を使って陶彫部品を組み合わせた作品を「発掘~聚景~」と名づけることにしました。聚景は造語で「しゅうけい」と読みます。屏風には格子模様の穴を刳り貫き、その穴を避ける […]
- 週末 「発掘~宙景~」柱の調整 「発掘~宙景~」は組み立てや設置に手間のかかる集合彫刻です。4本の柱陶で正方形に近いテーブルを支え、そのテーブルの下に陶彫部品を複数吊り下げていく構造です。前に木材店で2m50㎝でカットしてもらった […]
- 閉庁日における制作目標 昨日から始まった職場の閉庁日(休庁期間)ですが、改めて制作目標を掲げておきたいと思います。週末である今日も朝から夕方まで陶彫制作に明け暮れました。閉庁日9日間のうち、元旦と従兄弟会を除く7日間で何を […]
- 週末 新作2点目の導入 夏に東京銀座で発表する陶彫作品は、大きめの新作を2点、小作品「陶紋」を数点出品しようと考えています。毎年の定番になっていますが、ギャラリーせいほうの空間を考えると、今回もこのくらいの作品量を必死にな […]
- 単体が集合する世界 朧気な全体像をイメージしながら、単体となる作品をひとつずつ作っていき、それらを集合させて、ひとつの作品にまとめる世界が私の得意とするものです。自分の資質もあるのでしょうが、昼間は公務員として働きなが […]
Tags: イメージ, 作品, 制作, 陶彫
The entry 'イメージの更新' was posted
on 6月 4th, 2020
and last modified on 6月 3rd, 2020 and is filed under note.
You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.
Both comments and pings are currently closed.