読書癖で保つ外出自粛

職場勤務と自宅勤務を正副管理職で交互にやっている生活が続いています。先行きが見えない不安を抱える中で、こんな事態は社会人になって初めてのことですが、海外での留学を含め長い学生生活を送ってきた私は、暇人として生きた時間が多かったために現在も暇を持てあますことなく日常が送れているのではないかと思います。身分が公務員なので民間の大変さから比べれば呑気なことを言っていると受け取られるかもしれませんが、責任職としてさまざまな事態を想定していることも確かです。私の若い頃からの日常には読書が欠かせない存在です。私は決して速読ではありませんが、鞄に年中書籍を携帯し、常に栞を挟んでいて読書途中であることが日常化しているのです。私はどこでも時間があれば頁を捲っています。創作活動にはそれなりの構えが必要ですが、読書は難なくその世界に入っていける気楽さがあります。前にどこかで書きましたが、一冊の書籍の中には広いイメージ世界があって、頭が冴えている時には、活字から紡ぎ出されるイメージは鮮明で豊かです。映像等のビジュアル表現とは異なり、活字を手掛かりに自分の蓄積された記憶を総動員して、自分勝手な世界を作り上げるのが読書の醍醐味と言えるのです。日常を忘れさせてくれるひと時は、私にとって至福な時です。ただし、難解な書籍は自分の語彙に対する力量の有無や全体の意味把握、つまり理解力に対する己への挑戦があり、時には諦めの気持ちも湧いてきます。若い頃は堪え性も忍耐もなく途中で放棄してしまった書籍が多々ありました。今は若い頃に比べれば体力がなくなっているにも関わらず、知力はそこそこ身についているようで、数行読んでは立ち止まる専門書にも何とか食らいついています。そんなことで遊べる自分は、新型コロナウイルス感染症の影響で外出自粛が呼びかけられていても、読書癖で保つことができるのです。現在のNOTE(ブログ)に頻繁に読書感想が出ているのは、そんなことに関係しています。

関連する投稿

  • 近親者の通夜に思う 先日、妹の嫁ぎ先の姑が亡くなったことをNOTE(ブログ)にしましたが、後を追うように舅も亡くなり、今晩は通夜が営まれました。享年96歳。大往生とも言える年齢で、自分もこの歳まで生きていたいなぁと素直 […]
  • 書物の魅力について 自分は昔から書物が大好きです。本の虫と言うわけではないけれど、常に書物を携帯しています。書物は扉を開くと無限な世界が広がっている感じがしています。それは映像のような視覚的イメージが限定されない世界で […]
  • 今夏の自主研究 何か小・中学校で出される夏休みの自由課題のような表題ですが、毎年夏になると知識欲が湧いて学生のように勉強したくなるのです。学校教育で身についた癖なのか、夏休みは何かをやらねばならないと思い込んでいる […]
  • 超現実世界に遊ぶ 年度末の残務整理が多忙を極めるなか、通勤時間の読書が唯一の心の癒しです。アンドレ・ブルトン著「シュルレアリスムと絵画」を読んでいて、超現実の世界に心を委ねながら、夢と現実が交差する造形を楽しんでいま […]
  • 厚板下書き&バラ園散策 中規模の新作は今日から作り始めました。過去幾度となく私が作ってきたテーブル彫刻になりますが、今回の新作では陶彫部品を接合せず、木材のみで作ります。厚板を4本の柱で支える構造ですが、厚板には文様化した […]

Comments are closed.