書籍の整理

昨日から在宅勤務で、自宅にある書籍の整理を行いました。自宅のリフォームでリビングの壁一面に書棚を作ってもらったために、数十年も床に積んであった大量の書籍を新しい書棚に収めました。公務員になった頃に手に入れた自分の専門分野の全集20数冊が床の奥底から出てきた時は、仕事に慣れていなかった当時のことを思い出し、懐かしさでいっぱいでした。私は祖父が宮大工、父が造園業という職人家庭に生まれ、実家にまともな書籍がなかったことで、中学校の入学祝いに母が私に百科事典の全集を買ってくれました。それが大変役立ったことも思い出し、また家内が嫁入りの時に別の百科事典を持参してきました。私の蔵書は一気に増えましたが、私の知識への渇望と読書癖はその時かなり満たされました。20代の滞欧中にもドイツ語の書籍を手に入れてきましたが、これはもう読めそうにありません。日本で購入したものでも難解なものが多いのですが、これらは何せ日本語なので、近いうちに読破をするつもりでいます。全般的に私の蔵書は創作活動の刺激になるものが多く、また最近は展覧会の図録に立派なものがあり、大変な情報量が収められているので、これも書棚に入れることにしました。図録は工房の棚にも収めてあって、合わせると大変な量になります。これも学生時代に図録が買えなかった気持ちの揺り戻しではないかと思っています。叔父2人は学者で、一人は哲学者(カント)、もう一人は考古学者(中国史)で、彼らの蔵書数に比べれば私は足元にも及びませんが、先祖代々の職人気質と彫刻家としての知識を併せ持つと自負する自分としては、学者でもないのに結構な蔵書があるのではないかと思っています。自分の学んできた知識を概観する大きな書棚を見て、自己満足に浸りつつ、まだまだ思索を深めることを止めてはいけないと思った次第です。

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