コトバによる現実逃避

昼間は公務員管理職として来年度人事に取り組んでいます。この時期が一番骨の折れる時期です。全職員の配置を考えながら、さらに組織の活性化を目指し、仕事がやり易くコミュニケーションがスムーズにいく職場環境を作ろうと私は朝から夕方まで悩んでいるのです。これが私の仕事と言えばそれまでですが、理想的な体制がなかなか組めず、ちょっとした休憩時間には、気分転換のために現実離れしたコトバで遊んでいます。まさにコトバによる現実逃避です。詩らしきものが生まれる時は、こんな時もあるのかなぁと思っていますが、どうでしょうか。造形による創作活動も、全て満たされたバランスの良い生活では緊張感のある作品は生まれないのではないかと思っています。気持ちのどこかに欠如したものがあって、それを補おうと必死に何かを作り上げる行為が、素晴らしい作品を生むと私は考えています。コトバも同じかなぁと思っていて、自分の魂が自分の身体を抜けて上空から私を眺めている場面を想像してコトバを紡ぎました。ついさっきまで頑張っていた私は抜殻になり、その頑張っていた気配だけがあって、上空にいる私はそれを優しく評価しているのです。また梱包された書類の束を見て、これは意味を失った抽象に過ぎないと私は思っていて、私がやろうとしている仕事は、梱包されたことによってアートになってしまったと、怠け者の私は頷いてみせたり、ふと窓の外の春めく風景を眺めて、萌え立つ新緑に自然の蘇生力を見取ったりしていました。おぉ、自然の蘇生力とは何と素直で朴訥なコトバだなぁと思いましたが、春の暖かさとぽっかり浮かんだ雲を見て、そこに捻りを加えることなど出来ないと感じていました。つまり現実逃避は創作活動の第一歩であると言い訳をして、そろそろ休憩時間を終えて真面目な仕事に戻らなければとならないと自分に言い聞かせました。

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