三連休 板材二層目に突入

今日は天皇誕生日の振替休日で、三連休の最終日になります。今日も朝から工房に篭りました。新作の屏風になる板材は一層目が出来上がり、今日から二層目に突入します。一層目は全体に格子模様を刳り貫いていますが、二層目はどこを刳り貫こうか考えながら、作業をすることにしました。私がイメージしているのは、岩壁に空洞が不規則に開いた古代遺跡です。嘗て見たトルコのカッパドキアの奇岩群に、キリスト教徒が住みつき、ちょっとした集団住居になっていた風景がありました。既に記憶が消えかかっているので、頭の中でその住居を象徴化していくしかイメージは捉えられません。でも、滞在当時は暗い穴倉を訪ね歩いたことを微かに思い出すことが出来ます。新作では、壁沿いに荒廃した住居があって、そこに有機物となった陶彫が絡みついた状態を作ろうとしていて、通常ならおどろおどろしさを感じさせるところですが、古代出土品を思わせる素材の雰囲気と、造形芸術への志向が救いになって、彫刻作品としての佇まいを辛うじて留められるのではないかと思っているのです。とにかく二層目はデザインが決め手です。漸く面白味のある制作工程まで辿り着いた感じがしています。先のことを言えば、一層目と二層目を接着し、そこに砂マチエールを施します。さらに油絵の具を滲み込ませる工程がありますが、過去の作品はブラウン系の色彩を使いましたが、今回はグレートーンにしようかと思っています。下地の色彩はやや明るめのイメージを持っていて、陶彫部品が際立つようにしようと決めています。過去の作品は陶彫の素地と砂マチエールを馴染ませようとしてきましたが、今回はその逆をいきます。今日から板材二層目に突入して、徐々に先のイメージが明確化してきました。この三連休は木材加工ばかりに追われてしまいましたが、イメージの具体的な把握という大きな収穫もありました。三連休とも朝から夕方まで集中して作業に取り組んでいて、身体が悲鳴を上げる一歩手前までやってきていました。ウィークディの仕事も来年度人事に関わる仕事が始まっていて、なかなか厳しいなぁと思っています。私は花粉症で、今ひとつ体調がすぐれない日もありますが、今年は新型コロナウイルスが今後どうなっていくのか、社会情勢にも目を凝らさなければならないなぁと思っているところです。手洗いとうがいは欠かせなくなりました。

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