週末 若い人たちに背中を押されて…

昨日と違い、今日は身体が動き易く工房での制作は進みました。珍しく今日は2人の若いスタッフが来ていました。一人は大学及び大学院でテキスタイルを専攻し、染めの技法を駆使して自己表現に挑んでいる若いアーティストです。彼女は茨城県で個展を開催するらしく大きな布にロウケツ染めをやっていました。染めは描写とは異なり、染め粉を流したり、色彩を留めたりして自分のイメージに合わせてコントロールをするものです。彼女の方法は、ロウケツ染めと言っても通常の文様がしっかり浮かび上がるものではなく、微妙な色彩の綾が織り成す効果を求めて、手探りで重層的な表現を極めているように思えました。何点か作っておいて、ギャラリーの空間を見ながら作品を選んで展示方法を考えた方が良いのではないかと私はアドバイスをしましたが、最終的には彼女のセンスで決定するのです。どんな空間が創出できるのか楽しみでもあります。もう一人は高校生で、美大を目指して鉛筆による静物写生を描いています。この子はこれから長い道のりがあるなぁと思いつつ、地道な努力を続ける子なので、今後どんな飛躍があるのか楽しみでもあります。創作活動は決して華々しいものではありません。コツコツとした制作姿勢から何かきっかけを掴んで自己表現を確立するものです。また自己表現が確立しても、そこに安住できるものではなく、常に流動していくものではないかと思うのです。大きく言えば破壊と創造の繰り返しです。そんな若い人たちに背中を押されて、私も相変わらずの板材刳り貫き作業を頑張っていました。今月の週末は刳り貫き作業一辺倒で、創作行為というよりは職人的な作業ばかりです。彫刻は目の前に実材があるので、一気呵成には作れず、簡単に方向転換も出来ないのですが、自分にとって新しい表現を常に意識していきたいと思っています。

関連する投稿

  • 週末 新作の全体構成を見る 今日は朝9時から夕方4時まで工房に篭っていました。週末となっても特別なことはなく、私は日々工房に通っているのです。ただ、週末は今までの慣習に従って、新作の制作状況を書こうと思っていて、そこに創作活動 […]
  • 四連休最終日 新作の土台考案 今日で四連休が終わります。この時期に4日間連続の休暇があったことは、創作活動を進める上で有効だったと思っています。四連休は4日間ともずっと制作をやっていました。2日目に東京の東村山市立中央公民館に出 […]
  • 週末 新作土台作りの再開 週末ですが、職場では今日まで休庁期間になっています。私は明日と明後日を年休にしているため、私の仕事始めは6日からになります。明後日までは引き続き工房に通い、創作活動に邁進するつもりです。昨年の母の死 […]
  • 休庁期間の始まり 毎年、休庁期間をどう過ごすのか、創作活動に没頭する中で制作目標を立てています。目標としては大きな陶彫の新作の床に這う根の部分の完成と、やや小さめの3点のテーブル彫刻のテーブル部分を作ることです。3点 […]
  • 週末 新作修整&最新作陶彫成形 […]

Comments are closed.