週末 寒さの中での陶彫制作

週末になって朝から工房に出かけました。ストーブを点けましたが、工房は相変わらず寒くて手が悴むようでした。とりわけ陶彫制作は水を使うために冬は厳しいなぁと思います。陶土を土錬機で混ぜ合わせ、明日の成形のために座布団大のタタラを数枚用意しました。次に成形が終わっている陶彫部品に彫り込み加飾を2点施しました。さらに時間が許せば、乾燥した陶彫部品にヤスリをかけて化粧掛けを行なうつもりでしたが、朝9時から始めた作業も午後4時になり、集中力が切れてきたところで作業を終了しました。化粧掛けは明日に回します。制作サイクルを回しながら、いろいろなことが頭を過ぎります。昼ごろ暫し休憩している時に、ふと浮かんだことがありました。私が作っている彫刻は実材を使っているため、実体を伴う空間があり、言うなれば即物的です。絵画や映像のように幻想を提示することが出来ません。そこに曖昧なものはなく、実体が存在するか否かという状況があるだけです。石は石であり、木は木であるという「モノ派」的な表現は、実体があるからこそ成り立ちます。私の作品も土を焼いたものとして考えれば、あるいは素材を全面に出す「モノ派」的な捉えもあるかなぁと思っています。ただし、私は「モノ派」ではなく、実体が纏う空気によって実体ではない何かを表現したいと考えているのです。実体ではない何か、これは従来の具象彫刻と何も変わるものではなく、塑造した原型をブロンズに置き換えて保存可能にした彫刻は、全て実体ではない何かを表現しています。それら彫刻に対し、人は石や木やブロンズという素材は見ず、それが人物だったり動物だったりして、つまりその形象に感情を投影してしまうのです。現代になって何も語らせない実材を実材として扱ったところに「モノ派」の新鮮な驚きがあったはずです。そこで私は「形象派」から「モノ派」へ移行する曖昧な境界に、自作を置いているのではないかと思ったのです。さて、暫しの休憩の合間に、曖昧な境界というフレーズが出てきて、私は当惑してしまいました。これをぐずぐず考えていると、制作時間がなくなってしまうので、すぐに作業に戻りましたが、改めてこんな取りとめのないことも別の機会に考えてみたいなぁと思いました。今日は寒さが内向的に働いてこんな考えが出てきたのだと思います。

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