週末 屏風に接合する陶彫制作開始

私が作る屏風と言っても、従来の日本画のそれとは異なり、角度のついた厚板材に陶彫部品が接合されたもので、言うなればレリーフを折り曲げて展示する立体作品です。私の陶彫表現のデビュー作が「発掘~鳥瞰~」で、屏風になったレリーフでした。その後も再三屏風に仕立てた立体作品を作ってきました。新作も幾度目かの屏風作品で、その厚板に接合する陶彫部品をどうするか、漸く考えがまとまってきました。床を這う根の陶彫部品が、床から立ち上がって壁を伝わっていく様子を、床と壁で連続して表現したいと考えていて、屏風に接合する陶彫部品を今日から作り始めました。実は新作の最初の陶彫試作品が、屏風に接合する陶彫部品だったのですが、これはイメージが固まる前の実験だったわけで、意図して作り始めるのは今日が最初なのです。試作品とは作り方を変えていて、根の陶彫部品を応用して自由にカタチを変形出来るようにしました。壁にボルトナットで接合するために蒲鉾型の陶彫部品の脇に穴を開け、そこからボルトを締められるようにもしました。屏風には矩形の窓を開けるため縦横に線を引いていますが、接合する陶彫部品によって、その窓を取捨選択して陶彫部品と適合させたり、対峙させたりするために、もう一度総合的なデザインをしなければなりません。窓を開けるための厚板への彫り込みは、さらに少し先になりそうです。これから先は屏風に接合する陶彫制作に専念する必要がありそうで、今月の制作目標としては、まず屏風をどうデザインしていくのかを決めていくことになります。今日も秋晴れの一日で、創作活動をやるのに適した気温になりました。工房には若いスタッフが一人やってきて、自分の課題に向き合っていました。誰か工房にいてくれる方が、私も張り合いがあって頑張れるなぁと思いました。それはお互いがそう思っているのかもしれません。最近は週末に集中し過ぎる傾向があって、作業終了後に私は大変な目にあってしまいますが、今日は昼ごろに近隣のスポーツ施設で水泳をして、創作の緊張感をクールダウンしてきました。来週末は私的な用事があって、陶彫制作に十分な時間が取れません。何とかウィークディの夜に工房に行かれないものか、公務員管理職としての仕事を視野に入れながら思案しているところです。

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