週末 陶彫続行の濃密な時間

漸く週末になりました。新作の陶彫部品の制作に明け暮れる貴重な週末です。今日は秋晴れの気持ちの良い一日で、工房には若いスタッフが2人来ていて、それぞれの課題に向き合っていました。私は4点目の彫り込み加飾と、乾燥した陶彫部品のヤスリ掛けと化粧掛け、さらに明日の成形に備えてタタラを数枚準備していました。陶彫制作には段階を追った制作工程があるため、複数の部品を同時に作っていかざるを得ないのです。以前から私はこれを制作サイクルと呼んでいました。次から次へ陶彫部品を替えながら進む作業は、ホッとする暇が与えられず、濃密な時間を過ごすことになります。キャリアを積んでもフロー状態になれることは素晴らしいことだと常々思っていますが、作業が終わった後で、疲労で動けなくなるのは困ったものです。表現が定まらなかった若い時代と比べれば、失敗は最小限になり、無駄な動きもなくなりました。と言っても慣れが生じるほど技術を把握できていないので、無我夢中で取り組んでいる姿勢を今だに保っています。自分が今までに獲得した技術の範囲で作っていれば、もう少し余裕が生まれるのでしょうが、イメージ先行の新作は常に技術的な挑戦が伴い、不安や焦燥はまだ私の中に燻っている状態です。私はどのくらい成長できたのか、作品はどのくらい展開して、深遠な思索を湛えているのか、自分ではまるで分かっていないため、相変わらず自分の無力さを思い知るばかりです。ウィークディの仕事では曲がりなりにも職場のトップとして、人に指示をする立場にありながら、週末になって工房にやってくると、私はたった一人の人間として己の力の無さを曝け出しているのです。そのギャップが私自身であり、社会的に認められた優位な立場と、人間的な弱さに喘いでいる陰の自分の双方が、私という個人を形成しているのだろうと思っています。工房での作業は明日も継続です。

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