週末 大学祭(芸祭)訪問②

昨日に続いて、別の大学祭(芸祭)に工房スタッフ3人を連れて行ってきました。今日出かけたのは武蔵野美術大学で、ここにも私の関係者が在籍しています。その子は空間演出デザインを専攻していて、ファッション関係の仕事に就こうかと話していましたが、昨日の子と同じく就職活動に消極的でした。武蔵美は何より私の母校で、ここにやってきた理由が2つあります。ひとつは武蔵野美大美術館で開催している「スタシス・エイドリゲヴィチウス展」が見たかったことと、自分の創作活動が始まった原点を確認したかったことでした。ポーランドを代表する画家スタシス・エイドリゲヴィチウスは現在70歳で、現役で活躍しています。彼の完成度の高い作品に数多く接して、私の大好きな東欧の土俗性に触れる機会を得ることが出来ました。この展覧会については別稿を起こします。武蔵美の芸祭は日曜日ということもあってか、来客の多さで圧倒されましたが、私は彫刻が展示されている2号館に佇んでいました。自分の40数年に及ぶ彫刻制作がここからスタートした思いに暫し駆られ、当時人体塑造をやっていた私は、池田宗弘先生から厳しい指導を受けていたことを思い出していました。どんなに厳しくされても、彫刻の魔力に憑かれた私は公務員との二足の草鞋生活を送ることになり、現在に至っています。彫刻を初めとする創作活動のスタートに立っている学生たちは、今後どんな人生を送っていくのでしょうか。きちんと就職活動を行っているのでしょうか。展示されている絵画や彫刻、デザインの作品を見ていると、創作に思いを強く持っている作品が目立ちました。表現が途中経過を示している作品群を見ていると、ここで終わったら残念だなぁと思うのは私だけではないはずです。そんなことを考えながら広場で、武蔵美恒例の彫刻学科学生による裸神輿を眺めていました。男子は褌一丁で将来のあるべき姿を叫ぶ姿勢は変わらないものの、最近は女子が増えてきて、晒を巻いた元気な女子たちの掛け声にも威勢の良さを感じました。

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