2019個展の批評より

(株)ビジョン企画出版社から発行されている「美じょん新報」は月々の展覧会情報が掲載されていますが、「評壇」欄では美術評論家瀧悌三氏による、端的で歯に衣着せぬ展覧会批評があって、私は常々参考にしています。瀧悌三氏は個展初日に来廊され、お会いすることが出来ました。「発掘~双景~」の前で、制作上の難しかった点などを、私の方から遠慮なく申し上げさせていただきました。私は古代出土品のような装いになる陶土を作り上げることに何年も費やし、それでも焼成によって壊れてしまうことも多々あると正直なことを言わせていただきました。その話を受けて簡潔に書いたいただいた評を掲載いたします。「遺石出土品に擬した陶彫オブジェ。大作は管状のもので繋いだ等身大の塔2体。中品は台状の物体、小品は帯文付けた方形立体。茶褐色の古色を出すのが難しい由。」簡単な文章ですが、きゅっとまとまった文章で表現していただいて感謝申し上げます。「旧盆長期休暇期間は催事閉散だが、前後、結構ある。~略~日本画、彫刻も活発。量は通常の一月分を優に越す。」と「評壇」欄の前置きにこのような文章がありましたが、私の個展も旧盆長期休暇期間の前に当たり、活発な状況を助けているのかもしれません。毎年この時期にギャラリーせいほうを会場に個展をしておりますが、来年のこの時期は東京オリンピック・パラリンピック開会式に当たります。その頃の銀座の街はどうなっているのでしょうか。搬入・搬出は滞りなく出来るのでしょうか。ちょっと心配をしておりますが、もう私自身は来年に向けて新作を作っている最中です。今日は2回の三連休に挟まれたウィークディですので、次の三連休に向けて気合を込めているところです。

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