週末 新作の陶彫全て出揃う
2019年 5月 19日 日曜日
最近体調が優れない毎日が続いています。工房がロフト拡張工事によって、作業スペースが限られてしまっているのが、原因のひとつかもしれません。今日も鉄工業者は工房に姿を見せませんでした。鉄材や板材を切断する騒音の中で、創作活動は出来ないのではないかと、途中経過を見に行った家内が言っていました。鉄工業者は個人経営で、今まで週末も休まず作業をしていましたが、ここにきて私に配慮してくれているのかなぁと思っています。ロフト拡張工事は完成間近で、何時ごろ終わるのだろうか、実は気を揉んでいるところです。新作の陶彫も完成間近です。ただし、陶彫は最後に焼成があるため、もうひとつ山を越えなければなりません。体調が優れない中、今日は多少無理をして2個の陶彫部品の成形と彫り込み加飾を終わらせました。今日は美大生が自らの課題をやりに工房に来ていました。私は彼女に背中を押されるように頑張ったのは確かですが、彼女も相当頑張ったようで、夕方になって彼女を車で送るときは2人ともヘトヘトになっていました。今日作った2個の陶彫部品で全て新作が出揃ったことになります。その次は乾燥を待って、仕上げや化粧掛けを施して窯入れになります。さて、6月初旬までに出来上がるかどうか、毎年のことですが、これは賭けみたいなものです。完成への緊張を伴う綱渡りは今回も経験することになりました。今まで余裕を持って作品が完成したことがないので、この状況には慣れてはますが、思いを巡らすと冷や汗が出てきます。今回は焼成で失敗できないのが気にかかるところです。陶彫制作は、私の彫刻家人生のほとんどを占めていますが、技法に溺れずに今までやってこれたのは、熱心に作った作品を最後に窯に入れて焼成する工程があるためで、今も窯内で割れる要因が分からない場合があります。そもそも器などを作る陶芸では考えられないような無理な形態を作っているので、割れや皹はあって当然と肯定すべきでしょうが、口惜しくて仕方がない時もあります。最近は達観していますが、若い頃は布団を被って寝てしまうことが度々ありました。今回も大きな陶彫部品を2個潰しています。工房の裏にはハンマーで叩き割った陶彫の破片が山積みされています。ところが、ここ2週間の締め切りの迫った状況での失敗は許されません。天に祈るのみです。来週が撮影前最後の週末になります。