19‘RECORDは「風景シリーズ」

今年のRECORDの方向性を考えました。もう既に元旦から作り始めているRECORDですが、今年1年の大きな主題として、現存する風景、または心象風景を中心に据えて、日々制作していこうと決めました。彫刻の手ほどきを受けていた20歳頃の私は、立体把握の習作として人体塑造をやっていましたが、海外に出て空間造形の在り方を思考するうち、周囲の風景を取り入れるようになり、西欧で遭遇した古代遺跡をイメージの源泉にする彫刻を作ってきました。「発掘シリーズ」や「構築シリーズ」はそうした中で生まれてきたものです。RECORDは彫刻とは別の動機で始めた表現媒体ですが、既存のRECORDにも彫刻のイメージを補填する作品があり、それならばいっそのこと類似したシリーズでRECORDをやってみようと思い立った次第です。私が5年間の滞欧生活で辿り着いた心象風景。自分の足で歩き回り、現地の空気を吸って思い至った空間に対する感触。そこに現象として存在し、意識分析を経て作品として再現する意義。そんな思索を通して現前する風景を自己解釈する試みを彫刻ではやってきました。今年のRECORDは、その延長にある位置付けをして取り組んでいきます。毎月のテーマに「~の風景」という文言を入れていきます。RECORDが彫刻と異なるのは次元の違いです。平面なら素材の重量や重力から解放されます。ただし実材がないため、存在感に欠けるのは否めませんが、自由度は増すのではないでしょうか。今年1年間をそんなコンセプトでいく所存です。

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