週末 益子から陶土が届いた日

陶彫を作るためには陶土の調達やら焼き窯等の設備が必要です。道具も多岐にわたっていて、その中には自分で作ったヘラも含まれています。それらは自分の創作イメージを具現化する中で、少しずつ整えてきたものです。一朝一夕にはいかない環境整備の賜物です。環境整備の一番は何と言っても制作場所の確保で、私は亡父が所有していた植木畑の一角に工房を建てました。そうしたことが積み重なって漸く陶彫制作が本格化出来たと私は思っています。それまでは他の施設を借りて制作をしてきました。今は気兼ねなく何時でも制作が出来ることを嬉しく感じています。栃木県益子町という陶芸の里から陶土を調達していることがあり、当地の問屋や陶芸家たちと今も繋がっていることも自分を取り巻く環境のひとつでしょう。勿論新作を発表させていただける東京銀座のギャラリーせいほうも、作品の撮影をしていただいているカメラマンも、支援していただいている工房スタッフも、大切な人的環境と言うべきでしょうか。今日は朝から工房に篭っていましたが、ウィークディの疲れがあって、なかなか作業が進みませんでした。40kgの土練りをやって、明日のために大きなタタラを6枚作りました。陶土を掌で叩いて伸ばすだけの作業でしたが、身体がヘトヘトしていました。昼ごろ、栃木県益子町から陶土600kgが運ばれてきました。運送業者も1年1回しか顔を会わせませんが、同じ業者ではないかと思いました。工房の搬出口のシャッターを開けて、トラックに積んであった20kgで包まれた陶土を30個降ろしました。これでもう1年間の制作が可能です。新しい陶土がやってくると気分が上がります。例年この時期に陶土を益子町の明智鉱業にお願いして入れていただいているのです。今日は夕方まで作業をして工房を後にしましたが、この疲労は昨晩の映画鑑賞が影響していると思いました。実は昨晩、仕事から帰ってから家内と連れ立って、横浜市鴨居にあるエンターティメント系の映画館に行ったのでした。常連にしているミニシアターでは上映していない映画を観に行きました。映画はロックバンドとして名高いクイーンの活動を描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」で、クイーンのヴォーカリストであったフレディ・マーキュリーの生涯を中心に、彼らの独特な音楽観に迫る内容になっていました。日本で人気があったクイーン。私たちの世代は皆知っていて、そのメロディを聴けば青春が甦ると言ってもいいと思います。多少の感傷も手伝ってこの映画を観に行ったわけですが、この歳でクイーンの音楽作りを改めて見てみると、貪欲な表現意欲に元気づけられること頻り、自分の創作活動の起爆剤にもなりうると感じたのでした。詳しい感想は後日改めます。今日はゆっくり休んで、明日の陶彫成形を頑張りたいと思います。

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