代休 小品4点の制作
2018年 5月 14日 月曜日
今日は休日出勤日の代休です。そうは言っても私は東京の某施設に行く用事があったため、丸一日は休めず、陶彫の制作をどうしようかと思案していました。7月の個展のために、隙がないくらい制作工程を組んでしまっていて、この日も数時間の制作をやらざるを得ない状況でした。今日は陶彫による小品を数点作る予定で、陶土の準備は出来ていました。東京出張の前後に工房に行って作業をするしかないと決め、まず朝5時に工房に出かけました。5時から8時までの3時間、小品の成形の作業に充てました。東京から帰ってから、夜の3時間を成形した小品の彫り込み加飾に充てました。無理な制作時間ですが、こればかりは仕方ありません。神経が覚醒しているためか疲労は感じず、ひたすら計画を全うすることだけを考えていました。それより小品をどうするか、以前からあったイメージに近づけることが出来るのか、手を動かしながら思考していました。朝の3時間で4点の成形を終わらせましたが、それからどんな作品に発展させたいのか、東京の施設にいてもイメージが頭から離れず、仕事は上の空でした。夕方、工房に戻ってから平面的なイメージを陶土に描いてみました。櫛ヘラを使って線が交差する効果を確かめました。嘗て人体塑造をやっていた時に、引っかき傷のようなマチエールを粘土の表面に作った記憶が甦りました。これは立体表現ではありません。一般的に考えれば線や点は平面表現です。陶彫はそのどちらも効果を確かめられる稀有な素材かもしれず、小品4点にはこのような平面性を持ち込むことにしました。私は陶土の表面の指跡をヤスリで消し去り、錆鉄のような効果を狙ってきましたが、今回作っている小品は、傷跡や細かな穴を線や点に見立てて、今までのような滑らかな面を変えています。化粧土も従来のものより、彩度を高くしてみようと思っています。10年以上前にギャラリーせいほうで、最初に発表した「発掘~鳥瞰~」は明るい色彩の化粧土を使っていました。まだレリーフの域を出なかった頃の作品です。小品では当時の化粧土に近いものを使ってみようかと思っているのです。小品の彫り込み加飾は、ウィークディの夜にも工房に行って、作業を継続するつもりです。